時代に乗り遅れた日本
’80年代の日本は「JAPAN AS No.1」と言われ、
完成度の高い製造業のビジネスモデルを欧米メーカーが見習い、
取り込もうと研究された時期でした。
日本人の長所である、手先の器用さ、勤勉さ、
集団行動における従順さが活かされ、
黄金期を迎えました。
ところが2000年以降の情報化社会において、
企画、開発、販売分野への移行が遅れ、
日本は世界の主流から遅れを取っている状態が続いています。
日本人が得意なのは「個人技」
日本人は、組織の中で行動することが苦手です。
自己を殺し仮面を被り、上司に従い和を乱さない、
そんな古いスタイルの組織行動は得意です。
これは書籍「ティール組織」で定義されている、
アンバー組織(軍隊などの制服で階級を表す組織)
の発達段階の組織マネジメント方法です。
本質的には柔軟、従順な日本人にとって、
現在主流のオレンジ組織(競争社会)の中でも、
適応できますが、
精神的な不安から自分より弱者を作ることで成り立つ、
村八分やイジメがある組織を作りたがります。
欧米人は、変化する環境に影響されない強い意思を作る方法を、
長い狩猟生活の文化から身に着けています。
日本人から見たら「手のひらを返された」と感じるほと
欧米人は自分を守ることを最優先にします。
(非難ではなく、団体生活の経験値が高いとの認識)
組織行動において、
欧米人は、自分と周囲との距離感にブレがなく賢く、
大人のコミュニケーション方法を取れます。
日本人は、外部に対して繊細な気配りで対応できますが、
実際は気を許さず、身内にはときに甘い対応をする傾向があります。
組織内で自分を表現する訓練が学校教育で圧倒的に少ないせいもあり、
日本人の良さは、個人行動でしか活かされない。
但し、限定的集団活動では必要以上にうまく回るときがあります。
不測の事態に活きる組織
マネジメント誌で有名な
ハーバードビジネスレビュー(HBR)
から2007年に出版された「組織行動論の実学」
(DIAMOND HBR編集部編訳 ダイアモンド社)
に私の好きなエピソードが記載されています。
ハンガリー軍の小隊がアルプス山中で道に迷いました。
兵士の1人がポケットに地図が入っていることに気づき、
一隊はその地図を使って無事下山できました。
ところが後になって、その地図はまったく違う
ピレネー山脈のものだったことが判ったのです。
この話から何を言いたいかというと、
「行動するために考える」のではなく、
「考えるためにはまず走りなさい」
「考えながら走りなさい」
ということ。
優秀な1人のリーダーが牽引しても、
全員参加のフラットな組織でもいいのです。
大切なのは、
その職場に応じた改善策を「全員で考え」、
「試してみて」、「ダメならすぐに変えてみる」
を繰り返せばいいのです。
日本人に合った組織マネジメントスタイル
日本人は欧米人と違い、
文化の違う人達と競り合って自己表現することが、
苦手な人が多い。
但し、護られた狭い環境の中で互いを思い遣って
行動するチームワークは得意分野です。
つまり、日本人の良さを活かした組織とは、
「外部から護られた組織環境の中で、
最低限の相互コミュニケーションルールを
遵守して運用されること」
なのです。
ここまで書いて、
これは「ティール組織では?」
と思うのは私だけでしょうか?
日本人の良さを活かすには、
苦手なマネジメント部分を、
組織のしくみで補えばいいのです。
「上下関係と仁を重んじる道徳的なしばり」
が世代によってはネックですが、
Z世代以降は問題ないでしょう。
今までは上級リーダーが整えていた組織環境を、
プラス思考のコミュニケーション手法と、
全体性を育む慣行が整えていきます。
別記事で述べたように、
ティール組織は、組織風土をコントロールしなくても
組織力で、無理のない状態で形成していきます。
その中で安心して自由に意見を言い、自然に成長していきます。