- 虚構―堀江と私とライブドア/宮内 亮治

GW中の一冊。
読み物としてとても面白かった。
連日、ワイドショーで伝えられていた裏側で何が話され行われていたのかが
静かな語り口調で綴られている。
上場後、何を事業コアにしていくのかを悩んで、ポータル事業に突破口を求めた辺りは
時代背景や同じ業界にいる中で感じる臨場感を持って伝わってきた。
ネット企業の経営者としての堀江さんの能力。
ー私が感じる堀江の経営者としての美点は、情報収集力と発想力と理解力だ。ー
莫大な情報を収集して、仕組みや本質を瞬時に理解分析し、新たな発想を生み出す。
特にこのネット業界においては、抜群に発揮される能力なのでしょう。
これに人を組織化し、事業を遂行していく人がいると強い企業になっていく。
最後に、やっぱりこの事件を思うと、企業ビジョン・バリューの重要性について考えざる得ない。
「時価総額世界一」になるために、企業として何を大切にしていくのか。
「稼ぐこと」が一番大事だったため、人に期待することも稼ぐこと。
即戦力を求めているから、「育てる」という発想はなく、「研修会」なども無かったとのこと。
随時採用で週に何人もの人が入って、同じだけ抜けていっていたと。
そういう風土自体は「あり」でしょう。外資の金融などイメージとしてはある。
しかし、メディア企業にはアンマッチな風土なのではないか。
皆で作り上げていくメディア企業は、農耕民族のような性質を持つ。
じっくりと作り上げていく。 短期視点だけでは良いものはできない。
何を大切にして、どういう人・組織を作って、何の事業を行っていくのか。
シンプルに見えるが、深いレベルでの整合性を常に保たせていくためには、
社員の多くがそれに関心を持ち議論を行っていくような風土が必要なのだと思います。