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応用Leçon08

La bille est partagée..  パリの社交②

 

<語彙説明・構文のポイント>

文章の組み立てはやや複雑

最初に従属節が2つ、その後で主語l'onから始まる主節が2つ

最後にcelaを主語とする3番目の主節が置かれて全体が締めくくられる

 

従属節①

Tant que cet assemblage est dans sa force,

(この集団の一体感が存在するあいだは)

 tant que~ →同等比較の表現としても使われるが、ここでは~である限り、~する間は

  =autant que~ と同義 最初に従属節を構成する

 assemblage →現代では機械や道具を一つに組み合わせたもの

  ここでは古典的用法で人々の集まり、結束した状態を意味する

 cet assemblage →この集団

 est dans sa force →être+状況補語 熟語表現

 (集団や組織の勢い、勢力が)その頂点にある

 être en pleine forme(最高のコンディションである、絶好調)とも言える

 

従属節②

et que l'entêtement subsiste,

(また、人々の陶酔がおわらぬうちは)

 et que →第2の従属節の開始を示す que はtant queの省略形

      同じ接続詞を繰り返さない

 entêtement →のぼせ、頭がふらふらになること 主語

        そこから転じて「心酔、熱狂」 ここでは精神的な陶酔状態を指す

 subsiste →存続する、残り続ける 狂乱の夢は消えうせずにずっと続いている

 

主文①

l'on ne trouve rien de bien dit ou de bien fait que ce qui part des siens,

(わたしの仲間たちの言葉や行動ほどすばらしいものなんて、どこにもないよ)

 rien de bien dit →よく語られることは何もない

 rien de bien fait →よくなされることは何もない

  →前置詞のdeが橋渡しの役割 rienを修飾

 ne...que →限定的な表現が組み合わされていて ~以外はない、~の他にはない

 trouve →他動詞 目的語となる名詞句ce qui part des siensの内容を受けてその他はない

 ce qui →主語の役割を果たす関係代名詞 ~するもの

 part →発する、由来する

 des siens →身内のもの 定冠詞複数形des が行為の起点を表す前置詞deと結合している

  つまりこの名詞句は「身内の者たちから発するもの」を意味する

 

主文②

et l'on est incapable de goûter de qui vient d'ailleurs:

(「よそから来たものなど、話にもならない、どれもこれもひどい趣味のものばかりさ)

 on est incapable de~ →~することはできない 

 goûter →他動詞 ここでは文章語の意味として「高く評価する」

 その目的語としてce qui vient d'ailleurs →よそからくるもの 名詞句

 いずれも特定のされない3人称主語代名詞onを主語とする文

 

最後の主文③

cela va jusques au mépris pour les gens qui ne sont pas initiés dans leurs mystères.

(ついに傲慢な社交の声は自分たちの秘儀に通じていないものたちへの軽蔑、侮りにまで及ぶ)

 être initiés dans leurs mystères →秘儀に通じる

  どこかの秘密結社の入会儀礼のような謎めいたイメージ

 initié(s) →ここでは部外者には入れない閉鎖的な空間にあえて参加を許された特別なもの

 ※ラブリュイエールはここで仲間同士の狭い付き合いばかりに価値を置き外から来たものは

  ネガディブに流れる市民たちに皮肉を言っている。

  狭い仲間同士の優越感とよそ者への排除の力学がパリの社交と言うテクストの一つの

  ポイントになっている

 

<Explication de texte>

巧みな文体と言語技巧を駆使して、社交集団の表面的な団結と内在する脆弱性を鮮やかに

描きだしているテクスト。形式と内容の見事な融合により、集団心理の虚しさが浮き彫り

にされている

 

テクストの音の長さと意味の関係に注目

最初の従属節の2つは「~している限り」という接続表現のtant queを繰り返している

この集団に一体感がある限りは、そして人々の陶酔がまだ終わらない限りは、

とソシエテは暗に、いつか集団としての団結は終わるぞ、一体感は長続きはしないぞ

と念が押されている

 

面白いのはこの時、主語のcet assemblage, l'entêtement はそれぞれ

ce-t a-ssem-blage, l'en-tê-te-ment どちらも4音節と音節が多く長い語

単語の長さと熱狂の中で信じている集団の持続の長さに対応している

 

それに対して、陶酔したメンバーが語る言葉は音節が1つ

(monosyllabiques(単音節的)な表現)

l'on / ne / trouve / rien / de / bien / dit / ou / de / bien / fait / que / ce / qui / part / des / siens.

勢いに任せた彼らのpéremptoireな語り方が模倣されている

 

※péremptoire →有無を言わせない断定的な口調

 語られている意味内容と、音のリズムのズレや一致が、ある種の滑稽さの効果を生んでいる

 

ラブリュイエールはこうした表現に優れている

このような繊細な言葉の使い方は彼の文学そのものと言える

 

<今日の表現>

不定代名詞 + de + 形容詞(句) 

→不定代名詞と形容詞をdeで結びつけ、全体で名詞句を形成

 

quelque chose de + 形容詞(句)

quelque chose de beau →何か美しいもの

・Ce chanteur d'opéra a quelque chose d'exceptionnel:

 non seulement il chante très bien mais il est un excellent acteur.

・Cette peinture, pour moi, a quelque chose de magique.

 

rien de+ 形容詞(句)

rien d'intéressant →何も面白いものはない

・Il n'y a rien de parfait.

・Il n'y a rien de nouveau sous la soleil.

(太陽の下、新しいことは何一つない)

→旧約聖書「コヘレトの言葉」第1章9節

 

※deは不定代名詞と形容詞(句)結びつける働き

  全体で名詞句を形成している

※quelque chose やrienにde+形容詞を続ける表現は

 ニュアンスのある抽象的な意味を表して、文に深みと洗練さをあたえるもの

 として、文学的な文脈によく使われる。

 フランス語の優雅さや豊かさを表す表現の一つ