まるでSF映画の宇宙戦闘機のような外見ですが、これは1960年に部隊配備

の始まった、れっきとした　引退済みの旧式機　です。　型式や計算の仕方

で違ってくると思いますが、F-16に比べ２倍近い翼面積があり、おそらくは

単発戦闘機として最大の翼面積を持っているのではないかと思います。

1955年に初飛行した、北欧の雄スウェーデンの国産戦闘機・サーブ35ドラ

ケンは、エンジンこそ英国製のライセンス生産品ではありますが、その他の

機器はほとんどがスウェーデン製で、外国への輸出にも成功しています。

また、当時はあまり一般的な概念ではなかった、胴体と主翼を滑らかに接続

して空気抵抗の軽減を図る、ブレンデッド・ウィング・ボディの先駆けにな

っている機体です。

また上から見ればよく分かる、主翼の角度が途中から急激に変化するダブル

デルタ式の実用戦闘機としての嚆矢ともなりました。

またエアインテイクとして機首直後まで伸びた部分が、現在で言うストレー

キとしての役割を果たしたこともあり、運動性の向上にも一役買っています。

元々は対爆撃機用の昼間迎撃機として開発されましたが、後に施された様々

な改修で、夜間や雨天でも戦闘可能な全天候型迎撃機となりました。

スウェーデンの国土や運用に合わせて、短距離離着陸能力や、シェルターへ

の隠蔽、迅速な再整備・補給性、などが要求され可能となっています。

斜めからの４面。

エアインテイクの形状が結構凝ってます。

主翼下の主脚が結構前の方にあるので、尻餅つきそうです。

ドラケンの実機は、尾翼に入っている事の多いのではないだろうかと思っている

国籍マークが、機首に入ってました。

２つ、手を抜いています。　１つは機首先端のピトー管の取付穴がなく、0.５ｍｍ

のハンドドリルも無かったのであきらめました。　　もう１つは主脚内側の主脚カ

バーが１つ紛失してしまい、やむおえずオミットしてます。　(´・ω・｀)

最後部のジェットエンジンのノズルを見ると、ただの黒い輪っかになっています。

現用戦闘機には可変排気ノズルが普及していますが、この頃の小国のジェット戦

闘機はそこまでエンジンが高性能化されていませんでした。

上面

下面

機体中央一番下のふくらみには、補助の尾輪が収納されており、着陸時に尻餅を

しないように考慮されています。

実は一番困ったのはこの時代のスウェーデン空軍の国籍マークのシールが無い事

でした。　最近のグリペンなどの国籍マークは低視認性を考慮した物になってい

るので地味です。　この頃のスウェーデン空軍の国籍マークは綺麗です。

主翼上下面の計４枚と、少し小さめの機首の２枚は、共に初めて自作で水シール

を作りました。

また以前のF-104と違って、驚くほど機体表面のコーションマークなども少なか

ったです。（実機もそうでした）

尚、後年に放送されたウルトラセブンに出てくる警備隊のウルトラホーク1号の

原型はドラケンに違いないと、私は今でも信じています。　(｀・ω・´)

SAAB-35 Draken