二人でお酒を/梓みちよ
ワタシが小学校3年生か4年生だった頃、
近所に西沢くんという友だちが住んで
いました。
西沢くんのお家は、古い一軒家の借家で
おかあさんはいつも在宅しています。
西沢くんのお家とワタシのお家は近所
なので、お互い行き来はありました。
ワタシが西沢くんと遊ぼうと思い、
彼の家に行くと…
この曲が必ず大音量で掛かっているのです。
レコードプレーヤーがリピート機能を有して
いて曲が終わって数秒経つと、自動的にまた
再生され…無間地獄の様でした。
「梓みちよさん」には悪いですが、
二人でお酒を飲み過ぎて気持ち悪くなる
くらい、繰り返していました。
西沢くんのお母さんは同じ曲を延々繰り返し
聴いてバカなのか…とワタシは思いました。
只、西沢くんにそんな事言えなかったです。
西沢くんのお父さんは渡世人のような男で
した。ダボシャツを着ていて肩口から紋々
が見えたからです。
ちょっと怖かったのです。
ある日、いつものように西沢くんのお家に
遊びに行ったら、庭に大量のごみと残置物
があり、家の中はもぬけの殻でした。
近所の人たちは「夜逃げ」したと口々に噂
をしていました。
ワタシの母親と隣の家の婆さんはお金を
●マン貸したのに、恩知らず!と憤慨して
いました。
ワタシは…西沢くんはお父さんをマネて
ヤクザ者になるんだろうな。と子供心に
思ってすぐ忘れましたが、当時流行った
梓さんのあの曲が掛かると反射的に西沢
くんの事を思い出すのでした。
小学生だったワタシは
「パブロフの犬」の様でした。
二人ででお酒を
歌:梓みちよ
今日も見ていただき
ありがとうございました。



