今すぐにベンチに座る。
この気持ちを変える気はなかった。
座席が埋まっているのなら仕方ないので諦めるが、それ以外の場合は必ず座る。
明らかに変なのが座っていたらそれはもう座れないけど。
出先で急遽メールを書かなくてはいけなくなった。
スマホしかもっていなかったので、スマホで返事を書くとして、少々長文なので座ってじっくり書きたい。
かといってカフェに行くレベルではないし、そもそもこの後食事なのだ。
余計なもので完璧に調整した空腹を満たすことは憚れる。
なので、今すぐにベンチに座る。
目標のベンチはもう目の前なのだがちょっと様子がおかしい。
幅約170センチくらいのベンチなのだが、まず中央時ジジィが鎮座している。
この手のジジィは最早足を閉じるという常識が欠如しているので、当然大股を開いている。
ジジィの右側には何やらケーキかなんかの箱が置いてあり、逆側には自転車のカギっぽいのが置いてある。
ベンチへ歩を進めながら考える。
ベンチは座る。
ベンチは人間が座るものであって、荷物を置く場所ではない。
仮にジジィが荷物を置く場所だと考えてたとしても、それは通用しないのだ。
ワンチャンケーキの上に我が尻を乗せた場合、口論になる可能性がある。
理屈で勝てたとしてもケーキの弁償はやぶさかでない。
となると答えは一つ。
持っていたペットボトルで自転車のカギっぽいのを弾き飛ばしてベンチに座る。
ベンチに座った後、ジジィの顔は見てない。
見る必要もないからだ。
つーかよくわからんけどさ、なんかしょーもないものを置いて場所取りみたいな文化やめない?
割と存在のわかるものはいいんだけどさ、店に置いてある紙のナプキンあるじゃん。
それが誰もいない机の上に置いてあってさ、普通にゴミだと思って丸めて捨てて座席占領してたら
ババァ>すみません、ここにナプキン置いてありませんでしたか?
俺>ナプキン?ちょっとわからないですね。
ババァ>そうですか…飛んで行っちゃったのかな
飛んで行っちゃいそうなものを場所取りの門番として起用した指揮官が無能というのだ。