タイトル:「Replay
アーティスト:The Cheserasera
Replay

 

The Cheserasera、「Mouth to Mouth」以来であり活動再開後初の新作音源

当初は会場限定アルバムとしてリリース
「この時代にサブスク配信しないなんて、キツすぎるんじゃ…?」と危惧してましたが、無事に配信もリリース
会場に足を運べないファンにも音源が聞けるようになりました

そんなこの新作EPのリリースは自分も参加した夏の東名版ツアー開催初日に突然発表
その関係上、ツアーではいくつか新曲が披露されており、「君がギターを弾かないなんて」はケセラセラのイメージにもなっているセンチメンタルギターロックを象徴するような曲
スリーピースの王道とも言える曲ですが、

「君がギターを弾かないなんて
下らない争いのワケより寂しいよ
羽ばたいたら空も飛べる様な
背中で泣いている姿が
焼き付いて消えないよ」

のように、題材にしているのは続けるのを断念したミュージシャン
ケセラセラは続けるために一度活動を停止
1年後の帰還を約束して本当に戻ってきてくれましたが、対象的に継続を断念するミュージシャンもいる
それがあまりに悲しく、この「君がギターを〜」が生まれたのでしょう

「Come back my hero why not」

は悲しき叫びそのものですし

続く「GUS TOKYO」も先にツアーで演奏されており、この2曲はイベントでも演奏されてましたが、「GUS TOKYO」は今までのケセラセラになかったような骨太なロックンロール
ラウドに匹敵するようなアンサンブルをケセラセラは今までしてこなかぅたはず
より広い方に支持されるように新たに見出した曲といっても過言ではないでしょう

「踊れるMUSIC」もおそらくその1つ
曲名が全てを悟っているようにベースラインは客を踊らせるためのものでしょ

「期待外れ? それは違うな」

と話すように、自信があるからこのグルーヴを作った
きっとそのはずです

その一方、「カプチーノ」はケセラセラの代表曲でもある「幻」に近く、宍戸の優しさを感じられるような曲
メロディーもリズムも、

「この前いたあの人さ
付き合うのはやめなよ
お前の良いところ全部
消えたら意味がない
そりゃ続かない
そりゃかくかくしかじかで
色々あるだろう
ほっとくからとりあえず
俺と遊びなよ ああそうしなよ」

のように寄り添う歌詞は優しさがあって生まれるもの
「君がギターを〜」といい、宍戸はとても優しい人間なんでしょう
そんな気がしてなりません

このようにクオリティの高い曲が4曲集録されてますが、最後の「枯れた白い花束」ももちろん名曲
しかもこれ、ドラムの美代が手掛けたもので、このレビューでケセラセラを知った方は「ケセラセラってドラムも作曲出来るのね」と思うでしょう
ドラマーが手掛けた曲なので、キメは多いですが、

「胸に空いた 大きな穴
それはきっと 同じ夢を見たから
何も怖いものはないよ
瞳に映るすべて
嘘みたいに きらめいていた」

とバンドの姿勢を表明するような曲に
これも復活ツアーで演奏されてましたが、歌詞にフォーカスすると、あまりに良すぎますね

ケセラセラを知る音楽リスナーは30代前後
若いリスナーに知ってもらうのは簡単じゃないと思います
でもSNS受けを狙った曲よりもケセラセラの方が間違いなく良いと自分は思っています
今年もあと少し
掃除しながらとか、○○しながらで構いません
ケセラセラの新譜をぜひ聞いてください


 

 ※フィジカルは会場にて!!