これは二巻目になります。まずは一巻目から読んで頂くようにしてください。その方が絶対に面白いですよ。

一巻で親に見棄てられた吉瀬走。彼が勤めることになった力車屋(人力車業を営む会社)に関わる人々を描く作品群です。

 

ベースは親の都合で高校を中退せざるを得なかった走が主役。走の高校の部活仲間や走の客、彼を取り囲む大人等、視点は走以外の物も多いのですが、筋は大人の世界に放り出された走の成長物語になります。

 

この二巻目では「願いごと 成見信忠」※名前は短編の主役※が一番好きな話。妻の余命を知った信忠が過去の自分を振り返り、今の妻にしてやれることを必死でしようと足掻いてる話。走の引く人力車に客としてそんな成見夫妻が乗るという設定。

 

男って面倒で弱い生き物だよねぇ。

 

と思って読んでました。心にグッとくる良い物語になっていると思います。まあ、王道展開なんですけれども。それでも、この人の書き方が好きです。

 

※この段は読み飛ばして可。半分仕事の愚痴なので※

ちょうど仕事でも「男ってー」という感想を抱いたばかり。親が死に逝くのを受け入れられなかったのが、利用者の息子だけ。怖くて見れないと介護に携わらず近付かなかったから、まだ大丈夫だろうと一人だけ呑気だった。終末期だったのに。ご利用者さまは自宅に戻って一週間せずに亡くなりました。実の息子って、何でこういった無責任なのが多いんだろうか。妻に任せっきりで勝手なことばっかり。独身息子でも業者に丸投げしようとするのが多くてなぁ。本当にこんな息子によく当たって嫌になる。

 

扱いは児童書ですが、内容は一般向けの作品だと思います。本当に児童書の括りにしてしまうのが勿体ない作品です。文庫になったら欲しい‼

 

続編も激しく希望するなり(≧∇≦)