29歳になったあたしの目の前には




何もなかった






過去だけが
視界の中にいた







ばかだって言われたって
思い出から
カケラを探す
手掛かりの






砕けたガラスのような
想いの破片たちを
拾っては時に翳す
破片で切った指に
血を滴らせながら