朝8時頃に家を出て会社に向かうと特別支援学校通学用の大型バスを見かけます。

 

わずか3kmほどの幹線道路で3台ほど見かける時もあり、これほど利用者が多いのかと驚かされるものです。

 

バスを待つ母親と子どもたちを見ているとその姿が美しくも見え、優しくも見え、そして困難から目を背けず立ち向かう強さをも感じる時があります。

 

私の下の息子も小学2年生の時に担任の先生から学習障害という一種の発達障害を指摘され特別支援クラスに移ることを勧められたわけですが、毎朝見る障害を持つ子どもたちとその母親の姿を見て深く考えさせられるものがあります。

 

 

私たちが過ごすこの世界には何かしらの障害を持つ人間で溢れているように思います。

 

世間では健常者とされていますがいわゆるグレーゾーンとされる方々がかなり多いのではないでしょうか。

 

 

例えば私の勤める職場を見渡せば、

 

「一日中休む間もなくひたすら髪の毛を触り続けている人」

 

「20年間笑った姿を見たことがなく、そして20年間一度も「すみません」と謝罪をしたことがなく、これからもしないであろう人」

 

「万年平気で嘘をつき罪の意識がなく、たった一時間前に自ら話したことすら忘れる人」

 

「理路整然と話が出来ず日本語がおぼつかず日常会話さえ成立しない人」

 

「同じことを4回5回言われてもまた次の日にはそれを忘れ同じことを何十回と言われ続けている人」

 

彼らは皆、健常者として日常を過ごし仕事をしています。

 

もし彼らにそれらについて話そうものなら現代の社会では人格否定となりパワハラとされ指摘した管理者や会社は法的処罰を受けることもあります。

 

 

ではこれらは民間企業としての職域において人の多様性として認められ尊重されるべきでしょうか。

 

愛という言葉を胸に暖かく彼らを見守り彼らに出来ることそして彼らにしか出来ないことで活躍してもらえるように導くことで成り立つ職場や社会を目指すべきでしょうか。

 

 

「かくあるべき」というものを掲げ彼らに指摘し正そうとした時そこに表れるのは苛立ちと怒りそして相手からの恨みと反発です。

 

そうなるのを避けて事を荒立てないようにするためには黙っているしかありません。

 

しかしながら公的な学校や非営利組織ならともかく民間企業においてそれはどこまで許容されるでしょう。

 

人に迷惑をかけても絶対に謝らない人間、彼らは皆40歳50歳を超える大の大人です。

 

それを子供に諭すように優しく指摘すると相手は鬼の形相になって唇を震わせながら怒り狂います。

 

そのような人たちは健常者でしょうか、障害者でしょうか、それとも異常者でしょうか。

 

いずれでもなく彼らは多様性の中で愛を持って尊重されるべき尊き存在でしょうか。

 

もしかするとこれが精神世界で言われる肉体に宿る本来のその人が持つ霊性の表れというものなのでしょうか。

 

又は学びと精神性の向上のためにそのように設定してこの世に転生してきている存在なのでしょうか。

 

あるいはこれは肉体的脳医学的な影響による生物学上の影響を受けた結果なのでしょうか。

 

 

 

 

私たちが暮らすこの社会は共同生活で成り立っています。

 

様々な人間がそこで生き共同生活をしています。

 

 

人は人と接することなしに生きていくことは出来ません。

 

この社会では他者との関係性なし生活は出来ないものとも言えます。

 

 

多様性の中でも何が正しいことかについて共通の認識をもたなければこの社会はいずれ秩序のない無法地帯と化してしまうのではないでしょうか。

 

 

「ありがとう」

 

「ごめんなさい」

 

 

我が社に入社する人材の10人中8人か9人はそれが言えずに後に社内で教育されてから言えるようになった人たちです。

 

彼らは子供や大学卒業直後の新卒者ではありません。30歳40歳を超える大の大人です。

 

 

 

毎朝私の目に映る特別支援学校の送迎バスに乗る子どもたち、彼らは知的障害者とされています。ですがその子どもたちは元気に挨拶をしながらお互いに気遣う様子も伺えます。

 

一方、前述のような職場で「ありがとう」「すみません」さえ言えず、それをについて話すと鬼の形相で怒り狂う彼ら大人は健常者といえるのでしょうか。

 

何を持って障害者とし何を持って健常者とすべきなのでしょう。

 

何が正されるべきで何が許し受け入れられ暖かく見守られるべきことなのでしょう。

 

 

私自身、精神障害者と発達障害者とされる二人の息子を持つ親でもあるわけですが日々身の回りの現実を目の当たりにしながらそれらについて考えさせられずにはいられません。

 

 

 

 

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