パソコン上でノート代わりに使えるEvernote(エバーノート)というアプリケーションを長年使ってきました。
メモを取ったりデータを貼り付けたり様々に使える便利なものですが、ここにきて機能の改悪(これまで使えた機能を制限され使えなくすること)が加速してきました。
引き続き使用したいなら有料コースに移行してくださいとのメッセージが出て、さもなければこれまで通り使えないというものです。
「嫌ならそのサービスを使わなければ良いではないか」
そう言われるところですが、多くの人々にとってはそうもいきません。
私の場合はこれまで10年以上使い続けデータ記録を大量に蓄積してきましたからそれらがすべて無駄になってしまいますから。
ユーザーの多くは仕方なく月額1,100円の有料コースに切り替え使用を続けることになります。
これはまさに0円の無料でサービスを使わせ、依存し、逃げれなくなった時を見計らって有料化するという手法です。
ヤクザから覚せい剤をタダでもらいヤク漬けになりやめられなくなった時を見計らって高額なお金を請求されるか言いなりになるかを強いられる手法そのまんまのようにも思えます。
この種の手法は現代において無数に蔓延っています。
バーコード決済のPAYPAYも店側の手数料無料を謳い全国に加盟店を広げましたが、時を見計らって手数料を有料化し突然支払手数料を2.6%としました。
そしてここでもこのような話が出てくるわけです。
「嫌ならそのサービスを使わなければ良いではないか」
ですが、事はそう簡単にはいきません。お客様はそのお店ではPAYPAYによるバーコード決済が出来ると考えており一定のお客様もついています。店側はやめるわけにはいかなくなっています。
その他楽天モバイルもデータ通信1GBまで無料としていたものを突然廃止し、最低料金として3GBまで1,078円の料金プランに切り替えました。
タダ(無料)を餌に客を取り込みタダで使わせ、それに依存し抜けられなくなった時期を見計らって有料化する。
この手法が当たり前に見られるようになりました。
私個人的にはこの手法の商売に強い嫌悪感を感じています。
「ただほど高いものはない」とは言われますが。
過去ソフトバンクの孫さんがネット接続のためのYAHOO BBのADSLモデムを無料で大量に配布してから20年以上は経過したと思いますが、あれをきっかけにこの種のビジネス手法は広がっていったのかもしれません。
無料だと喜んで契約して使い始めると突然有料化の知らせを受け使えなくなる。
依存させてやめられなくなったところを有料化する。
「最初からそんなうまい話はないわけだから文句を言うほうがおかしい」
そういわれる人がいるかも知れません。
本当にそうでしょうか。
Windows OS(オペレーティングシステム)に対抗すべくLinux OSは今だに無料で皆の寄付金のみで運営され、パソコンを動かすサーバー機では主要な位置を占めています。
ビル・ゲイツ率いるマイクロソフトのWindows OSがなくなったところで無料OS Linuxがあればなんら困ることはないと思います。
日本和製のOS、TRON(トロン)などは開発者は無償でそのソースコードを開放し無料で世界の企業に使用することを許し、今や電子機器のOSでは世界シェアダントツのナンバーワンです。
もし日本発のTRON OSのパソコン版が実現していればマイクロソフトのWindows OSなど台頭することはなかったでしょう。
残念ながら不幸にも御巣鷹山の日航機墜落事故でその技術者が全員亡くなったしまったため実現はしませんでしたが。
0円から始めること自体が悪いわけではないと思います。
フィンランド出身のリーナス・トーバルズ氏が開発した無料OS Linux(リナックス)や日本和製の無料OS、TRON(トロン)は前述のように無料でを維持されながら立派に社会貢献をし文明に役立っています。
0円から始め依存から強制的にお金へとつなげていくこの商法にもそろそろ限界が見えてきているのではないでしょうか。
私の場合は必要であれば有料プランにしますし必要でなければ解約しますし、個人的にはそれだけの話しなのですが。
企業は利潤追求がその使命でもありますが、それとは違う社会的責任について考えていける企業が増えるよう願うばかりです。
・・・