エンゲル係数とは一世帯における全支出に占める食費の割合というものである。

 

例えば一ヶ月に20万円支出がある家庭で食費が5万円を占める場合は(5÷20=0.25)エンゲル係数25%となる。

 

 

以前は貧困層ほどエンゲル係数が高いと言われてきたが、最近はそうでもないという。

 

これは特に共働きが増えて自炊ではなく外食や買ってきたものを中心に食べているとそれなりに食費が増えるためとされている。しかしながら職場環境で見た時には大きくその環境に左右されるかもしれない。

 

 

コンビニの客を見ていると建築現場の作業員の方々が作業車のバンから降りてきて朝のパンと飲み物などを買って現場に向かい、昼にはコンビニ弁当やカップラーメンとお茶のペットボトルを買って食べる姿をよく見かける。

 

最近のサンドイッチは250円位から高いもので400円近くするものもあり、コンビニ弁当については600円近くするものも多い。更にお茶や飲み物を買えば昼ごはん代に700円ほどはあっという間に使ってしまう。

 

最近のコンビニ弁当は容器の底上げが問題になったが御飯の量がかなり少なくなりお腹いっぱいにならない。ましてや現場作業の肉体労働の方々となれば600円程度のコンビニ弁当では量が少なくて足らないだろう。

 

そうすると朝と昼だけで1500円程度の支出になる。タバコを吸う方なら更にプラス600円だ。

 

一ヶ月に23日程度働くとして仕事の日の朝と昼の食事だけで5万円近くになるため、これに夜の食事代や休日を合わせれば8万円から多く見積もった場合10万円近くになる。これはビールなど酒を含まずにだ。

 

一ヶ月に20万円支出がある場合は一人だけでエンゲル係数が40%以上となるわけだが、ちなみに現代の日本の平均としては20%台だと言われている。

 

それに比べ大企業などに勤める方々は社員食堂などがあり、安く量の多い食事が食べられると聞く。安いものなら300円台から、そして500円少し出せば豪華なメニューもあるようだ。もちろん味噌汁やお茶付きでだ。

 

実際、私の息子たち二人も社員食堂がある大手の系列の会社に勤めているが、彼らの話を聞くとなんと恵まれているのだろうと思う。

 

 

大会社の上層部や経営者になると私生活の支出を会社の経費で落とすため更にエンゲル係数は低くなる。

 

経営者や会社役員などの場合は、車は社用車にし、家賃は社宅扱いにし、ガソリン代も会社経費、外食も接待費、スマホも社用スマホ。これらすべて会社の経費とすれば給料から支払う必要がないため、自身の給料をまるまる別の支出に割り当てることが出来る。こうなるとエンゲル係数は更に低くなる。

 

つまり、やはり低所得者ほどエンゲル係数、支出に占める食費の割合が高くなるというのは今もさほど変わっていないように思う。

 

昭和の戦後は60%でありそこからの平均は20%台に落ちて安定していると聞くが、一人暮らしの家庭や複数での家族構成など状況は様々であるためこれらは一概には言えないだろう。

 

 

近年ではコンビニ弁当の価格も高くなり、そしてごはんの量が明らかに少なくなり、そしてコンビニで食事を済ます肉体労働の現場作業の方々、コンビニの駐車場で汗だくになりお昼ごはんを食べる営業マンの方々を毎日のように見かける。

 

彼らの食事代を計算しながらエンゲル係数と所得との相関関係について考察していた。これでは世のお父さんのお小遣いが月に3万円程度では飲みにさえ行けないし人付き合いも出来ない。職種によってはオフィス街のランチ付き合いで下手をすると昼飯代だけで消える。

 

為替の円安は1ドルあたり150円に迫る勢いで物価高も止まらず、更にエンゲル係数は上昇するだろう。まだまだ厳しい状況は続く。

 

 

とはいうものの、職場近くの百貨店を歩くとそうでもない方々の姿も散見され、平日から2千円台のランチを楽しみながら雑談されている主婦の方々も多く見かける。ツイッターでもネガツイは自粛する傾向にあるにせよ、幸せ一杯の見て見てモードの投稿も多い。

 

世の中は広く、一方ではそれなりに裕福に賢く生きている方々も多いのかもしれない。

 

 

ちなみに五十歳を過ぎた大人の私が平日に個人的に使うお金はセブンイレブンでチョコバット1本33円程度である。。

 

 

 

 

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