我が社は週末にネット販売でセールを行うことが多い。

 

セール明けの月曜日は平均的に通常日の10倍以上の売り上げとなる。

 

このため私の場合は土日の間に自宅のパソコンでほとんどの自分の担当の処理を終わらせてからフリーの状態で月曜日の朝出社し他者のフォローと指示を出すことに専念する。

 

土日に何もせずにそのまま月曜日に出社すれば月曜の午後か夕方あたりまで自分の仕事で精一杯になりテンパってパニックになるからだ。

 

当然ながら月曜の朝、目の当たりにするのは作業に追われ必死に手を動かす従業員の姿となる。

 

まだ必死にやっている者は良い。それどころか目の前に膨大な作業が山積みになっているにも関わらず平気でゆっくりゆっくり、のんびりとマイペースで作業をしている者もいる。

 

そしてまだ仕事が進んでいないのにお昼休みの時間が来たら作業をやめて休憩に入り、そしてその日の仕事が終わっていないのに終業時間がきたら作業途中で止めて帰宅する。

 

もっとスピードをあげるように言うと顔が引きつり精神不安定になり不満を募らせ潰れてしまう。だから言えない。

 

そう、彼らは時間から時間で仕事をしているのだ。

 

仕事ありきではない。時間なのだ。

 

 

「なぜ決められた時間外に仕事をしなければならないのか」

 

 

「残業代がもらえるわけでもないのにタダ働き?ありえない」

 

 

「仕事が終わらないのは自分の責任ではない。無理な量を与える会社が悪い」

 

 

「お客様に迷惑がかかるのは自分のせいではない」

 

 

「そんな者が当たり前になるとまるで自分たちが仕事をしていないみたいではないか」

 

 

それら考えが標準となっている。

 

 

「自分の仕事は週末などの休日や平日の深夜早朝に終わらせて日中は他者の助けにまわろう」

 

そんな考えを持つ者はおかしな者とされ、場合によっては上司にゴマをする迷惑な者とされる。

 

 

確かに他者を甘やかすことはならず、本人たちにさせなければならないことは本人たちにさせなければならないとは思う。

 

そうしなければ「手伝ってもらうのが当たり前」になるからだ。

 

しかしながら自分の仕事は後回し、他者の手助けをと考える人間にはほとんど出会ったことがない。

 

それが不思議で不思議で仕方なかった。

 

 

 

「なぜそれで平気なのだろう」

 

 

「なぜその仕事をほったらかしに出来るのだろう」

 

 

「なぜ自分は悪くないという考えになるのだろう」

 

 

「なぜ自然と身体が動かないのだろう」

 

 

ずっとそう思いながら周りを見ている。

 

 

そして今日もその光景が目の前に広がる。

 

今となってはもう驚きはしないが。

 

 

どうも私は異世界から来た宇宙人なのかもしれない。

 

 

そう思えば腹も立たない。

 

 

そう自分に言い聞かせれば周りの人間を見て疑問に思うこともない。

 

 

 

 

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