母は言う
「何が幸せか、わからんとよ」
７人兄弟の二女で
べっぴんさんで
村一番の秀才だった長女伯母と
いつも比較されて育った母
父親から
「ボンクラは学校に行かんでいい」と
田んぼや畑や山仕事の手伝いを
強要された。
年に一度の晴れ着も
姉妹たちに遠慮して
残り物しかもらえなかった。
愚痴と僻みと妬み満載の
醜いアヒルの子の物語。
📕
中卒で家を出されて
流れ流れて
博多に辿り着いて出会った
話上手で優しい兄さんは
実は
気弱で嫌な事があると
お酒に逃げるダメンズだった…
🍶
毎晩のように
呑んだくれて
大声出して暴れる夫。
調理師という
手に職を持っているのに
お酒のトラブルで
お店に居づらくなって
転職の繰り返し…
私が生まれた頃は
家賃を節約する為に
間借り生活だったらしい。
プライバシーの無い生活
どんなに肩身が狭かっただろう…
🏘
その後
夫実家で同居するも
姑や小姑から
嫁いびりを受けて…
🏢
何度も抽選で外れて
やっと当たった
２Ｋの公団住宅
遊びに来た姉や妹から
「ウサギ小屋みたい」と
バカにされた。
親から愛された記憶がない。
結婚生活は生き地獄だった。
不幸な星の元に生まれきた。
一度も幸せだと思ったことない。
何百回、いや何万回も
聞かされてきた私と妹
かわいそうなお母さん…
でもね
妹が車でお迎えに来て
ドアツードア で
妹が予約してくれたホテルに着いて
温泉にゆっくり入って
おご馳走を食べて
長女娘（私のことね）は
鬼娘やし
その連れ合いは
自分の理想の婿とは程遠くて
気に入らないんだろうけど
素直で優しい４人の孫と
可愛いひ孫も生まれてさ
もう＂明日＂の心配を
しなくてもいいし
好きな時に寝て
お寝坊しても
誰も文句を言われないし
今の生活は
お母さんが夢見た
＂憧れの生活＂
＂とびきりの幸せ＂
ではないけれど
ほぼほぼ幸せ
なんじゃないかと
私は思うんだけどなぁ
ホテルのロビーに飾られてあった
さくらももこ先生の
サイン色紙が
５年前にさくら先生も
お泊りになられたんやね…
ご家族で来られたのかな…
写真を撮らせてもらいながら
胸がいっぱいになったよ。
改めて
さくらももこ先生の
ご冥福をお祈りいたします。
