介護職員初任者研修18日目

 

 住環境とは、家と家を取り巻く環境のことをいいますが、家の中と外どちらのことも言うなど広い意味で使われる言葉です。家の中の住み心地はもちろん、家の外の安全性や利便性なども住環境に含まれます。

 高齢の方や障害のある方にとって、安心・安全に過ごすことができる住環境を整えることは、家庭内の事故を予防する観点からも重要なことです。

 

 

 政府の統計によると、不慮の事故死者のうち65~79歳が4,153人、80歳以上が7,570人と約87.8%が高齢者です。また、65歳以上と65歳以下では、前者の重症度が高いという調査結果も出ています。

 家庭内の事故に高齢者が多いのは、加齢で筋肉が衰え、体の柔軟性や反射神経が落ちることが原因の一つです。

 20歳以上65歳未満の方と65歳以上の方の家庭内事故の発生場所を比較して見てみると、若い世代では台所・食堂(リビング)での事故が一番多いですが、65歳以上だと居室が一番多いです。これは、そこに滞在している時間の長さに比例しています。

 また、65歳未満より65歳以上の方が事故発生件数が多い場所は、階段や玄関などの段差のある場所になっています。

65歳以上の事故発生場所(屋内)

 転びそうになったときにとっさに体を支えることが難しく、体へのダメージがより大きくなります。骨も弱くなるので、それほど衝撃が強くなくても骨折してしまうケースがあります。 

 若い世代には問題なくても、高齢者にとってはリスクが高い生活環境や生活習慣もあるので、注意したいところです。

 

 本日は、「自分が片麻痺になったとき、どういう部屋・間取りにしたいか」をテーマにグループディスカッションしました。手すりの取り付け位置やバリアフリーなど活発な意見交換をしながら、それぞれのチームで理想の居住空間のイメージをレポートしてくれました。

  

 押したり引いたりするドアではなくセンサー式の自動ドアにするとか、掃除はお掃除ロボットでとか、テレビは天井から降りてくるスクリーンでプロジェクターでとか、SFのような近未来型の理想空間の発表もあり、楽しい授業になりました。