少し間が空いてしまいましたが、今回私が浦添市美術館を訪れた最大の目的は琉球王国の景勝地が描かれた浮世絵「葛飾北斎作 琉球八景(1832年頃)」です。

葛飾北斎自身は琉球を訪れたことがないので、中国の文献(実際に琉球を訪れた冊封使が記した皇帝への報告書)の挿絵を参考に創作されました。


八景には臨海湖声、筍崖夕照、長虹秋霽、粂村竹籬、城嶽霊泉、中島蕉園、龍洞松濤、泉崎夜月が含まれています。

琉球処分、沖縄戦、アメリカ世、本土復帰と移り変わる時代の中で王国当時の面影はもはや失われた場所も少なくないのですが、それでも「琉球八景」を眺めていると、江戸の街の人々がこれを見て琉球の風景を思い描く姿が浮かぶかのようです。


浦添市美術館が販売している公式資料の裏表紙には、八景に選ばれた場所が今どうなっているか写真付きで紹介されています。そこで、私が今までに撮った写真の中にも「八景」があるかどうか探してみると、3箇所ありました。

【筍崖夕照】

(現・波上宮)

【粂村竹籬】

(現・那覇市久米に所在する福州園)

【龍洞松濤】
(現・奥武山公園)