結婚してきた。

ひとりで生きることを選ぶと思ってたし、その選択に疑問を抱くこともなかった。
でも、一人で生きていけるほど、志高くもなく、生への執着心があるわけでもなかった。

何より、ふたりでいる方が心穏やかに心豊かに暮らしていけそうだなと思えた。

ある程度私のことを理解しようとしてくれて、黙って抱きしめてくれる人が側にいてくれるだけで、こんなにも精神的に安定できることを初めて知った。

私のことを必要以上に詮索しないところも気に入っている。
この世で唯一心を許している人と言っても過言ではないけれど、私のパーソナルスペースに侵入されるわけにはいかない。
そして、それができるほど他人に興味がないことを知っているから心を許せる。

生き延びなければって初めて思えている。

少しの不自由と引き換えに
生きる理由ができた。