全国区の知名度はあるんじゃなかろうか?と思われる横手市の「横手やきそば」。

中太の麺に目玉焼きと福神漬が乗ってあり、見た目が美味そうで映えますね。

しかし、自分の周り(主に県外の方)の意見を聞くと、


「思ってたのと違った」


「ビチャビチャしてる」


「わざわざ食べに行ったけどガッカリ」


止めは、



「焼きそばとしては不味い」



という、辛辣な意見を頂きました。



県南の民としては「いやいや」と一応弁明をしますが、猛烈に美味いものか?と言われると困る名物でもあります。

何というか、幼少より慣れ親しんだものだからこそ、「美味い、不味い」で語る事があまり無い、ありふれた存在な気がします。



また、前置きが長くなりましたが、久しぶりに焼きそばを食べに行ったんですよ。




横手市街からちょっと離れた所にある「藤春食堂」。
自分は駅前にある「ふじわら」の民なので、こちらは久しぶりの来店です。




店内はノスタルジーな雰囲気。
汚いとかそんな感じはありません。



焼きそば専門店なので、メニューはこれだけ。

他の店でも大体同じですが、
量は、並・中・ダブル(場所によってはトリプルもある)。
中身は、肉(挽肉)が入るか、玉子(目玉焼き)が乗るかぐらいで、難しい事はありません。

店に入るなり、メニューも見ないで「肉玉ダブル!!」とおもむろに言えれば、こ慣れた地元民を気取れます。



肉玉ダブル(650円)

上記の通り、麺がダブル(大盛り)で肉(挽肉)と玉子(目玉焼き)が乗ったもの。
成人男性であれば中〜ダブルなら、普通に食べられる量だと思います。
藤春食堂では、豚ロースを焼いたものが乗った「特製」が有名ですが、変化球無しのをオーダーしました。


卓上には青のりとソースがあるので、お好みで。

個人的にソースについては、地元出身の漫画家・きくち正太氏の「おせん」で描かれていたとおり、基本は味が薄めなので、追いソースが必須。
ビチャビチャのをズルズルと啜るのが美味いと思います。

ドロドロのソースではないので、ベタベタになるとか味が濃くなるとかは無いです。
ただ、秋田県民はしょっぱめな味付けを好むので、世間一般的な感覚では無いかも知れませんので、あしからず。

麺は中太のストレート。
店によって微妙に違いがあるので、面白いです。
味については非常に横手やきそばらしいスタンダードなもので、やっぱり美味しい。

この店に限った話ではなく、ある意味で横手やきそばの特徴なのかも知れませんが、麺を焼いた香ばしさやソースの焦げた感じは少ないかも。
屋台のやきそばとかのイメージで、パリッと焼けたものを期待して肩透かしを食らってしまう人は、これが原因で「不味い」と言う気がします。



目玉焼きを割ると訪れる、この悪魔的光景
横手やきそばの醍醐味は、この瞬間にあると言っても過言ではない。

自分は、最初は普通に麺を食べて、目玉焼きを崩すタイミングで追いソースをして頂きます。
卵黄を麺に絡めて食べる美味さよ。


個人的な意見ですが、横手やきそばって味のパンチが弱いと思うんですよ。
ビールよりお茶に合う優しい味というか…。
それが良いとか、悪いとかではないんですが、インパクトを求めて他県から食べに来る人にとっては物足りなさを抱くのは、ある意味しょうがないんじゃないかと。
そのせいなのか、味の差別化が難しいからなのか定かではありませんが、黒毛和牛やプルコギ、カレーなどを乗せて個性を出す店舗もあります。
「スフィーダ」のやきそばは、焼いた鉄板に乗せて提供するので目から鱗でした。

初見の方には昔ながらの良さを知ってもらいながら、色んなやきそばにチャレンジしてもらいたいですね。


不味いとおっしゃられた県外の知人には、定期的に本場のやきそばを贈り続けるテロをしております。


美味しかったです。
ごちそうさまでした。