まっすぐじゃない路

まっすぐじゃない路

自分で気になったことを書いています
法律は常に変わります。きちんとしたサイトで確認してね。

住人はわずか

海の幸は満載なのに

あちこちに壊れかけの家

ただ呆然と懐かしい場所を巡り歩く

神社は雑木林に身を隠し、寺は人影もなく

生活の声は聞こえど、人の姿はあまり見かけない

店は枯れ果て、山の道は雑草に閉ざされ、海はただ波の声が響くだけ······

老いた男は思う

この島に何があったのか···

春は山や海の幸を取りに行き、夏は海水浴、秋と冬は釣り。
飽きないほどの遊びがそこにはあった。めいっぱい時を過ごした。しかし、幼馴染みが引っ越して行った時から既に時間はゆっくり止まり始めていたのかもしれない。
家族の事情による転校が少しずつ変化をもたらす。
周囲4キロほどの小さな島
そこには駄菓子屋がいくつもあり、商店もあり、子供があちこちで自然の物を利用して遊び、年寄りはその子供たちを優しい目で眺めながら過ごす毎日。
祭りやお盆になるとお店も遅くまで開いていて、子供は花火や盆踊りや神輿を楽しみ、少しだけ遅い夜を楽しんだ。