梅雨入りから少し経ちますが、雨ばっかりというわけでもないですね。

子どもの家のお庭ではアジサイの花やくちなしの花がきれいに咲いています。

自分の顔ほどもあるアジサイに見入る2歳さんとのお散歩が楽しい季節です。

 

さて、今年の夏のコースについてお問い合わせをいただく季節となり、

過去(2021年の夏と2022年の春の)2回分のご報告をいたします。

開催中に咳風邪が広まってしまったり緊急事態宣言が出たりして、

コースの途中で中断してしまった回もありました。

無事に終わるとほっとして、私はしばらく休みたくてたまらなくなるのですが、

(そのせいでご報告を後回しにしてしまい申し訳ありません)

子どもたちはいつも意欲満々で、精一杯2歳さんを生きています。

 

 

ポテトサラダを作ったり、お花や野菜のお世話をしたり、

  

お洗濯をしたり、ぬいさしの練習をしたり、働きたい気持ちが満ち満ちています。

意味のある(生活の役に立つ)活動をしたい、

その気持ちを分かって、やり方を教えてくれる大人について行きたい、

彼らの思いはシンプルで強いものです。

遊びではない、本物のお仕事を任されたときに、

かわいいだけではない2歳さんの真剣さを体いっぱいに見せてくれます。

2歳さんをお育てしているご家族が、毎日このお顔を見ながら過ごせますように、

親子教室がお役に立てていたら嬉しいです。

 

お問い合わせはこちらへどうぞ。

sequoiamontessori-oyako@yahoo.co.jp

 

 

 

 

今年は季節の移ろいが早く、桜が早かったと思ったら5月なのに梅雨空です。

お庭のアジサイもアマリリスもタチアオイも咲き進んで、もう6月のようです。

 

さて、毎年2回、春と夏に開催してきた親子教室が、今年も1回目を終了しました。

ここ1年余りは新型コロナウイルスという脅威がある中で、

それでも一生に一度しかない2歳半前後の発達をお手伝いできるよう、

人数を減らしたり、お部屋をなるべく広く使ったりして、

内容はできるだけ普段どおりにできる方法を探って実施しています。

 

集まったお子さんがそれぞれ8回かけて何を受け取り、どんな発達を成し遂げるか、

その一部始終を(いい日もそうでない日も)目撃できるのは、親子教室ならではです。

お母さまたちはもちろん、もう7年目となる私たちでさえ道筋が完全に見えているわけではありません。

ひとりひとり、たどる道のりが違うことを毎回経験してきているからです。

子どもたちそれぞれの自立の発露をひとつひとつ「あぁ、分かったね、うん、できたね」と受け取って日々を重ねて行ったさきに、

「きっと素敵だろうって信じていたけど、きみはこういう人だったんだね」と、教えてもらうようなものです。

 

今回は、子どもの家の入園を既に決めていた方と早くからご連絡いただいていた方たちで

ブログでご案内をする前に4人の定員となりました。

男の子さん3人と女の子さんおひとりで、みんな2歳半近くで月齢的にまとまっていました。

言語的なやり取りができ、トイレも既に始めているか始められそうな人たちで、

やれること、やってほしいこと、どちらも満載な人たちです。

例えば自分がこぼしたお水は自分で拭くようなお掃除の自立も進めたい、

はさみは座って使おうなどの約束を守って道具を使わせてもらう楽しみも積みたい、

お料理やお洗濯などの家事を大人の話を聞いて一緒にやらせてもらう経験も。

その先に、「きみを信頼して任せるよ」となっていく喜びが大人にも子どもにもあるように。

 

  

低くなると、こぼしたお水がよく見えるね。 自分でお片付けもありがとう。

  

身を乗り出してはさみで収穫して水洗いしたブロッコリー。

  

 

  

 

  

  

春なので畑に収穫できるものがあり、食べ物のことはいろいろやってみました。

よく見て、お話を聞いて、一緒にお料理してみる?と誘って、

子どもの高さに置いたカセットコンロでパンケーキも焼きました。

ちょっと危ないかなと思うようなことも、十分に準備をして思い切って公開した方が

大人に信頼されて出してもらっていることや、確かに危ないということが伝わって、

好き勝手していいのではないという緊張感もほどよく分かってもらえます。

その加減を生で我が子の姿を通して見ていただけるのが、親子教室の面白さです。

 

いつも思うことですが、食べること、作ること、初めてのことへの興味関心が強い人ほど、

活動への入り口が広くて短期のコース内では少しばかり得をします。

でも、慎重に進みたい人も「やらない、やらない」と言いつつ、遠くから必ず見ています。

8日間のうちには無理でも、いつか「その時」が来た時にきっと花開くのでしょう。

「親子教室ではやるといわなかったのに、帰ってからずっとお掃除していました」なども、

毎回とても嬉しくお伺いしています。

お写真は保護者の方の同意を得てご紹介しています。一切の転載を固くお断りします。

 

セコイア・モンテッソーリ子どもの家

清水紀子

 

 

 

今年の夏の暑さは大変なものでした。

7月は雨ばかりだったのに、親子教室の2週目からぐぐぐっと最高気温が上がり、

セコイアは最後に坂を上がっていただくので、申し訳ないなぁと思っていたのですが、

子どもちゃんたちはそれでも、いつも楽しそうに笑顔で通ってくださいました。

 

今回の親子教室はお二組だけでゆったりと実施しました。

 

2歳2ヶ月の女の子さんは、トイレも着替えもなんでも自分でできるお嬢さん。

でも初回はすっかり内弁慶さんで、

棚に置かれたいろいろなものを本当は手に取りたいのに、泣いて泣いて、泣きに逃げ込んでいました。

「ずーっと泣いてるの?」「うん」「そう・・・、じゃ、泣いてなさいな」「うん!」

泣いていたいという意思が明確です。これは尊重しなくてはなりません。

後で聞いたところによると、春に初めての一時保育を経験し、

その時のママとのお別れが、彼女にとっては思いがけないタイミングだったようです。

保育園っぽい場所や人を警戒しちゃうのも無理はないね。

その彼女が、2日目を終わったときにはもう、

「○○はお姉さんだから」「○○がやってあげる」とママに言うことが増えたとお聞きして感激しました。

 

もうおひとりは1歳9月、まだ明確な発話はこれからですが、陽気な男の子さんです。

初回からいろいろなものに興味を持ち、手を伸ばし、積極的です。

でも、どこか本来の彼自身よりも少し幼めに見せているように感じられる時もありました。

「ひとりでなんでもできるようになりたい!」「大人のまねをしたい」と言う気持ちと、

「ママに甘えて心地よく過ごしたい、赤ちゃんのままでいい、それがいいんだもん」

という気持ちが、彼の内面で引っ張り合いをしているようでした。

 

親子教室で、自分の好きなことに手を伸ばし、やり方を教えてもらって、

好きなだけやらせてもらえる自由ときちんと終わる責任を与えられて、

おふたりとも、小鳥が巣立つように自立的になっていきました。

 

  お花を生けるお仕事

バナナを切って食べたり、お花を生けたり。回を追うごとにどんどん自信をつけていきました。 

  
来る日も来る日もお洗濯が大好きだったね。教えてもらったやり方だね。

 


     
水場は小さい人たちを圧倒的に引き付けるので、少しずつママを見なくなって、

自分の体が求めている活動にひたと夢中になるほうへと方向付けを助けてくれます。

 

     

最終日近くになると、大人の方ではなくお姉さんのしていることをよく見るようになって、

お姉さんのほうも(お姉さんといってもまだやっと2歳ちょっとだけど)見られていることを十分に意識して、

その意識が、もっともっとお姉さんにしてくれるんだよね。

    

そしていよいよ、自分のことは自分で最後までする、その気持ちいい姿を見せてくれました。

まだ2歳前。でもこれが等身大の2歳前らしい自立です。

 

モンテッソーリの考え方によれば、引っ込み思案も幼さも「逸脱」と呼ばれます。

もともと子どもの中にある、「発達の予定表」にはないものだからです。

予定にないものができてしまうのは、間違った環境が「予定どおり」を邪魔をするからです。

子どもの予定は「自分で、ひとりで、できることが次々と増えていく」ほうへと向かっています。

小さな手を伸ばした先にあるものを察知して、「どうしたら、あれをひとりでできるかしら」と、

今の子どもの手にあったやり方を大人が考えて教えてあげることが大切です。

たとえば引き出しに手を伸ばしたら、そこに彼のおもちゃを入れて自由に使わせてあげる、

水道に手を伸ばしたら、踏み台を置いて手の洗い方を教えてあげる(大人が洗ってやるのではなく)、

大人の靴に手を伸ばしたら「そろえてくれるの?ありがとう」と言って靴のそろえ方を見せてあげる・・・。

 

その時すぐにできてもできなくてもいいんです。

丁寧に見せてもらったことは必ず子どもの中に残って、根を下ろし、

ある時、やわらかな新芽を吹くように発現します。

それを確かに受け取って、大げさでなく額面どおりに喜んでやることが自立の定着を助けます。

等身大に、等身大に。大人はいつも子どもに対してフェアでなくてはなりません。

 

次回の親子教室は3月の予定です。

関心がおありの方はお早めにお知らせください。

 

セコイア・モンテッソーリ子どもの家

shimizu@sequoiamontessori.com