私が子供の頃に見た(そのときも再放送だったと思う たぶん。きっと。)「マッハGoGoGo」の実写版「スピードレーサー」を見てきました。
ゼリービーンズをぶちまけたような色彩、マンガから飛び出てきたようなキャスト、CGだらけで実写といっていいのか不安になるくらいなのですが、原作を子供の頃に見たことのある人には☆みっつ、原作を知らない人には☆ふたつ。子供の頃に聞いた主題歌を存分にアレンジして使用しています。
監督がいかに原作を愛していたのかを感じて不覚にも泣きそうになりました。

さて、前にみかちゃんにヒントをもらったのでお勧め中華モノを。

「後宮物語」
酒見賢一さんのデビュー作にして第1回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
中国ならこんなこともあったかもと思わせる作品。デビュー作にしてこれ!?と思わせてくれる☆4つ作品。
小説で読んでいると「これを子供向けのアニメにするの?!」という内容ですが、アニメになっちゃったんですよ。
私はTVで見ましたが、今、DVDにもなっているようです。
この作者、中国史を題材にいろいろ書いています。アンディ・ラウが主演で映画になった「墨攻」も原作はこの人。
この人の小説からマンガになって、映画はマンガを元に作られています。他にも「泣き虫弱虫諸葛孔明」等。タイトルだけでもそそりません?
日本ファンタジーノベル大賞の受賞作はかなり面白い本が多いですよ。
ものすごく、クセが強かったりもするけど。ひよりんお薦めの「しゃばけ」も受賞作のひとつです。

「バルザックと中国の小さなお針子」
ダイ・シージェという文革も経験した在フランスの映画監督・作家の作品。
田舎へ下放された都会の若者二人がむさぼるように読むフランス文学。田舎の素朴に美しい娘との出会いと別れ。それまでの生活とかけ離れたところに送られた都会の若者の「文化への飢餓感」にも共感しますが、若者が語って聞かせる外国の物語にひきつけられる村の人々との境遇の違いにも胸が痛みます。
同じ国で同じ時代を生きているのにこの違いはなんなんでしょうね。
☆四つ。映画にもなっています。
「中国では本が出ることもなく映画が公開されることもないですが?」と作者に問いかけたインタビューがあったようです。それの答えは「いまは海賊版で目にすることもできるから、それでいいのです」とのこと。

「上海ベイビー」
70年代生まれの衛彗さんの作品。
天安門事件後の急激に発展した上海を舞台にした若い女性の生活を描いた小説。
いまだに「中国」といわれてぱっと思い浮かぶのは、「三国志」や「水滸伝」の世界になってしまう私。
映画で「始皇帝暗殺」とか「Lovers」とか見ているせいですね。たぶん。
精一杯がんばって魯迅の「阿Q正伝」かパール・バックの「大地」。
現代のものは「それ、香港だから」とか「それ、台湾」ということが多いしね。
私が行ったことのある中国は天安門事件の直前で、当時友人と二人スカートをはいていたら博物館の職員のおっちゃんたちに「足が出ている!」とぺしぺし触って確認されてしまったぐらいの頃です。
当時街を歩く女性は、ほぼ地味な色のパンツ姿でした。
カフェでお茶を飲み、クラブであそび、今から来ない?とボーイフレンドに誘われ衝動的に北京まで飛行機で向かう。そんな生活をしているヒロイン。うわ、中国もここまで来たのか!とこの小説を読んだときに思いましたが、なんと、この小説が書かれてからすでに10年近くたっているんですよ。あらあら。
今じゃもっとすごいことになっているんですもんね。ちょっとしたカルチャーショックに☆三つ半。
中国では発禁だそうです。