長屋の住人も大分と増えて楽しいですね♪

勤労感謝の日までにマダムが何を書いてくれるのかとっても楽しみにしている きんぎょです。


直木賞の発表後、賞をとったハードカバーはもちろん、それまでに書いた文庫本もフェアのような形で並べられていますが、あれって2週間もするとすっかり元通りになるんですね。


他の本を読んでいる間にフェア期間が過ぎてしまい、いざ読もうと思ったら本屋さんの中ですっかり見失ってしまいました。とりあえず見つけたものから読み始めた直木賞作家松井今朝子さんの作品。

途中、古代ローマやイギリス暮らしに浮気もしましたが、9月は江戸芝居小屋が舞台の作品群にどっぷりつかっていました。


作者の松井今朝子さん、幼い頃から歌舞伎が身近にあったのでしょうね。どの作品を読んでも芝居小屋の空気がありありと感じられます。女形の楽屋のおしろいの香り、土間の埃っぽさ、拍子木の音、呼び込みの声、そんなものがありありと浮かんできます。


最初に読んだのは「非道業ずべからず」ミステリー仕立てになっていて取っ掛かりに読むにはいいかも。芝居小屋の世界にぐぐっと引き込まれます。


「東洲しゃらくさし」写楽をめぐる作品ですが、上方の歌舞伎と江戸の歌舞伎の違いなども描かれていてなるほどと、うなりました。


続きで読んだ「幕末あどれさん」はせつなかった~。江戸から東京に変わろうとする瞬間に、武士であることを貫くことと、武士を捨てて生きていくこと。何年か前の大河ドラマ「新撰組!」で描かれていた時代ですが、立ち位置が違うと見えてくるものも違っていたのだなぁとしみじみ。


「仲蔵狂乱」はスターの家柄に生まれなかった「スター」の話。前に見た映画「怪談」に出てきた御曹司の姿を頭の片隅に置きつつ読みましたが、芸の世界のきびしさよ。


「一の富」と「二枚目」は軽いタッチで描かれたミステリー。かといって内容は人情話ですね。けっして軽くはありませんでした。


「辰巳屋疑獄」は芝居小屋はほんの少しかする程度。上方の商家の話。江戸時代の経済物ですが、この本で初めて「大岡越前は左遷された」というのを知りました。


「大江戸亀奉行日記」はうってかわって気楽な一冊。ティータイムの息抜きにどうぞ。


文庫版は残り4冊、がんばって探します。(アマゾンで買うとなんか負けたような気がするんです・・・)



~10月4日 追記~

この記事を書いた日の夜に手に入れた「家、家にあらず」読み終わりました。

大江戸ゴシックロマンとでも言えるミステリー仕立てで珍しく女性が主人公の作品です。この中に通りすがりのように出て来た一人が「非道業ずべからず」に登場。


丁度、文庫の新刊で出たばかりの「銀座開化おもかげ草子」も一緒に手に入れて読み終わりました。

「幕末あどれさん」の続きです。時代は明治になりましたが、人間の方も新時代に適応できるかというと、それはまた別の話。今、ハードカバーの新刊でシリーズ3作目が出ているようなのですが、文庫になるのを待つつもりです。・・・でも早く読みたい・・・


残り2冊、まだまだ探し中。