バ○がひくという夏風邪をひいたきんぎょです。花火大会があるので浴衣を着ました。花火が始まるまで時間があるから映画でも。せっかく浴衣を着ているのだから和モノがいいねぇ。ということで、行ってきました「怪談」
ストーリーは落語「真景累ヶ淵」を基にしたもの、監督は「リング」でハリウッドに「ジャパニーズホラー」を知らしめた中田秀夫監督。あの貞子の映像怖かったですねぇ。
主役の尾上菊之助さんはアイルケウォッチャーにはおなじみの寺島しのぶさんの弟です。「色男」「優男」っていうのはこういう人のことを言うのだと思いました。ちょんまげのカツラをつけていても「役者さんが時代劇を演じている」というふうには見えず、「こういう髪型の人」と思えるほどの違和感の無さ、「涼しい目元」というのはこういうものかというまなざし、所作の一つ一つが完成された美しさです。タバコを売り歩くときの声ときたら!
江戸時代に「美しい」とされたものをずっとずっと磨き上げてきた「歌舞伎」を演じている人のすごさ。歌舞伎役者の底力を感じました。
女優さんたちも綺麗で、着物姿にうっとりですが、菊之助さんの美しさはやはり別格。黒木瞳さんや麻生久美子さんの長襦袢を脱がして現れる華奢な背中よりも、着流し姿で足を崩したときにちらりと見えた菊之助さんの太もものほうが色っぽいんですよ。「色気がある」というのはこういうことかとしみじみ。
怖くて「ひぃっ」となったのは1箇所だけ。この映画はあまりホラー映画という感じではありません。
少々血が飛んだりすることもあるのでPG-12に指定されていますが、エンディングの曲に一瞬にして現実に引き戻してくれるパワーがあります。「なんたって、怪談だし夜眠れなくなるかも」と心配していましたが、この曲さえ聞けばノープロブレム。一人で髪の毛を洗っていても後ろに誰かがいるような気にはなりませんよ。
映画は☆二つ半、菊之助さんに☆五つ。そして、この曲をこの映画のエンディングに使えと要求した人がいたとしたらその人にアルマゲドン並の隕石を!