「自分、不器用ですから」高倉健も真っ青の不器用さのため、今週の木曜日までに製作しなければいけなかったものを後回し後回しにしてきましたがついに限界。気分は8月31日の小学生のきんぎょです。


混乱?混迷?困惑?

登場人物紹介ページでやけに人数が多いなとは思っていましたが、本文に入ると登場人物一人一人の背景を説明しながら行動を描写するので、最初のうちなかなかリズムに乗れませんでした。

ところが人物紹介にほぼ徹した第1部が終わり第2部が始まると、読むスピードが一気に加速。

あの人物紹介はやっぱり必要だったのです。最後まで名前の出てこない「ちょっと目が真ん中によっている大統領」がいい味出してます。多民族国家イギリスの抱える混沌に☆三つ半。


この「朝まで生テロリスト」の中にも名前がチラッと出てきたディック・フランシスというイギリスの競馬ミステリー作家がいます。ただいま87歳なので新作があといくつ出るのか微妙な感じですが、この人の作品を一気に引き受けていた翻訳者の方が亡くなられてしまいました。今、ハードカバーで出ている新刊は初めて違う人が訳したもの。文庫化を待っているので未読ですがどうなっているのかちょっと心配。


ジェフリー・アーチャーの作品も全部同じ翻訳者です。長い付き合いでしょうから、あとがきを呼んでも作者と翻訳者がお互いに信頼しあっているのを感じます。一番新しい文庫作品「ゴッホは欺く(上・下)は、日本人が「いい人」の役で出てきます。日本を舞台にしているパートも有り、翻訳者にアドバイスを求めたりしていたようですね。


映画でも小説でも翻訳するのって大変だろうなぁと思います。その言語・世界観に育っている人にとっては「説明するまでもないこと」をいかにスマートに伝えるかというのがキモなんでしょうね。

作品・作者とジャストミートしていない翻訳者の手によって「そこはそのままカタカナにしておけばいいんじゃないの?」みたいなことが起こることもありますよね。(ファッション用語とかコンピューター用語なんかは特に)


私のように外国語がまったくわからない状態だと原書には手が出せないので、作品・作者のよしあし(というより好き・嫌いかな)は翻訳者次第ですからねぇ。赤い糸で結ばれたような作者と翻訳者の作品に出会えるとうれしいですね。