面白そうな気もするし、苦手そうな気もするし・・・と遠巻きにしているうちに本屋さんから消えた「香水 ある人殺しの物語」

それが映画化するという話になり、気がつけばまた平積みに。よし、いっちょ読んでみるかと手に取ったのは2007年1月。

この小説、私きんぎょが今年一番最初に読んだ本なのです。


かなりグロテスクな表現も出てくるし、好きな文体でもないけれど、途中で止めることができない。

劇的に臭そうなパリの街、風に乗ってやってくる田舎の土の匂い、いとおしい赤子の匂い。

最後まで読みきったときに受けた衝撃ときたら!

味覚と同じく言葉にすることが難しい「匂い」を見事に描ききった小説でした。


マジでこの小説を映画化するの?どうやって?!それを確認したくて公開初日に走って映画館に向かいました。


小説を☆五つとすれば、映画は☆四つでしょうか。小説を読んでから映画の順がいいでしょうね。

どちらかひとつというならば、小説をお勧めします。


私の中では小説で補完できたものが、読んでいないナミヘーには「何で?」と思うことが多かったようです。

親父向け雑誌やネットなどで話題になった「衝撃のシーン」についてはどってことないです。チチが見えてそんなにうれしいか?と。小説ではこのシーンで受ける衝撃はもっと違う種類だけれど十分に衝撃的だったのですよ。

近頃珍しく、アメリカ資本が全く入っていない映画だったようです。ダスティン・ホフマンをスクリーンで見るのも久しぶり。


「臭い」を映像化するのは簡単ですが、「快い香り」「心かき乱される香り」を映像化するのは難しいようです。

音楽の使い方はすばらしかったと思います。香りが広がる様を感じさせてくれる音楽でした。


そうそう。主役の青年、ナイナイの岡村さんに似ているのですよ。ちょっとした表情が「あ、こんな顔するときあるよね」と思わせるものがありました。ということは、岡村さんコメディだけでなくシリアスな映画にも役者として出ることができるんじゃないでしょうかね?