「あ~あ、あの主人公、とうとう闇落ちしたな。」

「あの闇落ちした瞬間の顔がかっこいい!」

「まさか彼が闇落ちするなんてショック過ぎる…」

 

いま、ハマってるドラマをSNSを確認しながら鑑賞。

ドラマにハマってるのかドラマを語るSNSにハマっているのか…。

とにかく私の中でこの流れが定着している。

 

 

「闇落ち」

 

確か有名な外国のSF映画で主人公の父が悪の組織の一員になったり、最近では大型時代劇ドラマで主人公が闇落ちしたりとか…

刑事ドラマでも闇落ちした刑事がラスボスだったなんてのもよくある設定。

こんなの現実的でないし、どこかにあっても庶民の日常にはあんまり関係ないか。

 

最近では動画の編集も上手くなってリュウが良い感じで私と話している部分だけ繋いで5分ほどの動画を作るのが一日の締めくくりになってる。

やっぱりリュウは可愛い。

これが「目に入れても痛くない」っていう感情なんだと思う。

明日はだれに動画を見せよう。

みんな「リュウ君、可愛い。」って言ってくれるけど、リュウの可愛さはそれ以上だと私は思ってる。

なんと言っても私の気持ちを分かってくれるのだから。

 

リュウはいつもの話す練習を私が止めると、すぐに自分の部屋で寝てる。

今まではリュウに触れながらドラマを観ていたのに、今ではリュウがすぐに部屋に戻るから、その手でSNS画面を操作するようになった。

 

「リュウ、お風呂に入ってくるね。」

 

リュウは少し顔を上げてまた寝てしまった。

「にゃあ」ぐらい言ってくれてもいいのに…。

 

「お風呂入るよ。」

 

名前を呼ばなかなったせいか、顔を上げない。

耳がピクッと動いた。

リュウ、疲れちゃったんだな。

頑張ってくれてるもんね。

 

湯船につかると腕がピリッと痛みが走る。

 

 

思い出した…

 

 

さっきリュウが私の手から離れるために爪を立てたのか引っかかれたんだった。

子猫のころ、ジャㇾて引っかかれたことはあったけど、こんな傷が残るくらい引っかかれたのは初めてかもしれない。

 

 

ま、いいか。

リュウは可愛いから。