「玲音」

駅前で、すぐに電話した。

『いまどこ』

「まだ中目黒」

「なんで、司くんが来たの?
あのひと変なことばっか言うからやだ。
助けて玲音」

『わかった。すぐに出る、助けに行くから。待てる?』

「もうここにいたくない。
私がそっちに行く」

『わかったよ』

『あ、奈緒、先に家に帰らなくていいの?』

「友達に来てもらってるから大丈夫。」

『そう、ならいいけど。旦那さんは仕事?』

「うん。たしか今日は帰ってこない日。
私も遅くなるって言ってある」

『そーなの』

しばらく何か考えるような沈黙があって、

『司、奈緒のこと探し当てたんだ。』


「そうだけど、ね、玲音、私もう司くんには会いたくないよ」

『何だよ急に』