樹木
私の工房は加賀百万石藩老本多安房守の下屋敷に窯を持ち
目の前には何百年もの樹木達が冬支度も終わり
寒い北風と会話をしている様子。
樹木達は本来、板になったり家具になったりさまざまな道具になり
人間の暮らしを支えてくれていた。
工房前の樹木達は寒いが緑の生命力を私共に教えてくれて
ありがとう。
土鍋
毎年寒くなると土鍋を作ろうと
土を用意するが今までに一回も自分の物を作った事がない。
今年こそとロクロに土を乗せ作りに入ると
土が指の間から逃げてゆく。何回しても・・・
たぶんお腹が空いていて食べる事ばかり考えていて・・・
土よ、ゴメンな。
柿
もともと甘柿であったのが赤く熟したものには
目もくれないと、聞きました。
渋味が強ければ強いほど、熟すると
甘味にコクが出ておいしい。
鳥達はそれをよく知っているらしい。
物作りの私に、鳥達からのメッセージかもしれない。
志野茶碗
美濃陶芸界の加藤康影先生の
紅志野茶碗を拝見させて頂き、感じる事がある。
手の中で、素材がもつ美しさ
作品の奥にしずむ見えない部分で、碗が語ろうとしているメッセージが伝わってくる。
なんと不思議な茶碗。
きっと技術も発想力、造形力をこえた土の華で
形を変えた地球の花かもしれない。