田中真知著「たまたまザイール、またコンゴ」が面白かったのでさらに
『孤独な鳥はやさしくうたう』を読み終える。
彼の旅・冒険にまつわるこのエッセイは、時を隔てて熟成させて書きあげたもの。
彼が今まで旅で出会った人々の話と自分自身・家族の話が書かれているが、
バリの画廊で友達なった画家が彼の息子宛てに手づくりの絵本を送ってく
れた「クマおじさんの贈り物」)が面白く、ほろりとさせられる話です。
ギリシアで出会った日本人女性に一目惚れしたて、その人をバルセロナまで
追いかけて再会する話は、ほとんどストーカーの様相の心情を代弁するようで
アブナイ展開のお話。
新聞記者でアル中であった、父との再会と別れを綴った「父はポルトガルへ
行った」は、秀逸なエッセイの一つであろう。切ない内容で俺の心にすーっと
入り込んできた話だった。
この本のタイトルは、16世紀のスペインの神秘主義者である サン・ファン・デ・
ラ・クルスSan Juan de la Cruz(十字架の聖ヨハネ)詩がその由来という。
孤独の鳥の条件は五つある
第一に孤独な鳥は最も高いところを飛ぶ
第二に孤独な鳥は同伴者にわずらわされず
その同類にさえもわずらわされない
第三に孤独な鳥は嘴を空に向ける
第四に孤独な鳥ははっきりした色をもたない
第五に孤独な鳥は非常にやさしくうたう
