35年以上も使用していた中古のギター(ハウザーⅢ世 No.26 1980年)の糸巻(ペグ)の調子が
悪かった。特に使用頻度の高い1弦・4弦の調弦が思うように合わない。
ギター専門店のHpでは、世界の糸巻の紹介があって参考となったが、エバルド(ドイツ)
EBARUDOは廃業していて、一部の楽器商が古いものを売っているだけだった。
この糸巻は、8万円~20万円する代物。日本製のものに交換したかったが、ザイズが違い
装着できないという。
世界標準サイズは35mm(軸間)で、36mmのものはロジャー(カナダ)、シェイラー・
ハウザータイプ(ドイツ)、アレッシAlessi (イタリア)の3種しかこのギターに合わない
ことを知って困り果ててしまった。ただし、全長が長いロジャーはハウザーのヘットからはみ出る
とのこと。
東京の楽器商から軸棒のパイプ2本(2万円)を取り寄せても、軸棒ギアとツマミのネジ山の
2つで動くので調弦の塩梅が思ったほど改善はしない。
アマゾンで購入した外国製(アジア)量産品は、サイズ違いの黒いツマミのもの(35mm)が
偶然にも装着できてしまった。無理して付けたからか?弦の張りが異常に強くなり、直ぐに取り外す。
日本で輸入品を買うのも余りにも高価すぎるので、直接メールでドイツへ注文をして4ケ月後に
SCHELLERから輸入したのが下記のもの。この期間は、ユーロの為替レートの動向を常時見ていて、
株投資人の有様。
海外との取引業務をしていれば、1円の変動の動向が商売に直影響する感覚を味わった。
調弦の精度といい、ギターの響きも最高の状態になったようだ。交換作業も自前で行った。
829ユーロの支払は、ペイパルpaypalの指定なので契約をして支払うことにした。
ユーロのその時の為替レートは137円/€でペイパルの換算は142€。829*142=11.7万円程度の
費用で修理ができた。成田空港から福島までの輸送代(輸入税を含み?)は、6200円が大和運輸
から徴収された。糸巻の交換費用は約14.3万円がかかったことになる。
シェイラー(schellar)の仕様は、巻軸:White Roller/Black horn Roller(カーボン)、
ツマミ:Black Pearl/White Pearl、基盤:Nickel Silver/Brass、基盤の彫刻:4点を選択する。
一番値段が高い仕様は、黒蝶貝のツマミ・ニッケルの基盤・Black horn Roller(カーボン)・
基盤の彫刻(花柄)を選択するもの。その他には、ツマミ軸棒のデザインも3ケ所を選択できる。
個人輸入で自前で交換するか、楽器商から購入して装着してもらうか、どちらが良い選択肢かは
なんとも言えないだろう。時間も掛かるし、装着の手間、仕上がりの可否、間違いない発注が
できるかなどリスクもあるので個人輸入のチャレンジ精神がないと厳しいかもしれない。
バッハのレッスンをしていただいたギターリスト益田正洋さんや仙台のギター製作家の方にも
お知恵を拝借するなど多方面の方々にご迷惑をかけてしまったのは申し訳なかった。
旧糸巻エバルド(ドイツ)EBARUDO 装着していたエバルド(上)は、さび止めをしたので
綺麗になっている。
SCHELLER シェイラー・ハイザータイプ(ドイツ)(下)
黒いツマミのものはアマゾンで安く入手したもの
装着済みの糸巻