近くの24時間無休で売買できる便利な販売店での出逢いだった
なんとも便利な販売店だ
大きくはないが日用品から食料品まで
取り急ぎ必要なものはなんでも手に入る
彼女は美しくしなやかに
その時を待っていた
出逢いはいつも突然よね
私には彼女を連れて帰る条件は揃っていた
彼女にお越しいたただくスペース
もちろん性質上大きくなることも考慮する
あとは店側との取引だ
対価を支払わなければならない
販売店側にお支払いするマネーは
日本円で600円ちょっと
それを支払う能力も私にはあった
彼女はあらかじめオリーブという名前がついていた
どうやら種類の名前らしい
植物は我々とは違い
器を大きくすればするほど
大きく成長するらしい
イメージを膨らませて
できるだけ大きな器を購入した
彼女がのびのびと根を張るためだ
狭いベランダだが
なるべく不憫な思いはしてほしくなかった
ただ、土の仕入れに失敗した
あと25リットルほど足りなかった
誤算だ。
まあこんなものは
取り返しのつく誤算だ
誰にも迷惑はかけていないし
だれも傷ついてはいない
自己嫌悪は10秒もあれば充分だ
翌日か翌々日には届く
なんと便利な世の中だ
彼女の細胞は
驚くほど時間の概念に忠実に
ゆっくりと
されど忙しく適応していくことだろう
私が彼女を愛するよりも多く
地球の条件に愛されている