いつも通っているバッティングセンターにて。
左打席で打っていると
個性的な銀髪まじりのゴリゴリのギャルが
やってくるなり
迷うことなくふたつ隣の、右120キロ打席に入り
素振りもせずに即ゲームスタート。
うしろでは彼氏なのか友人か
遊び慣れた雰囲気の若い男性が見ている。
ギャルはコーデも抜かりない。
そっか、サンダルのまま打つんだね。
ギャルは明らかに野球経験がないと思われる
極端につんのめったフォームから
しかし、ちょいちょいうまいこと打ち返す。
バッティングセンター経験はありそうな感じ。
そして120キロが終わると
すぐに隣の右130キロ打席に移動して
再び同じように即ゲームスタート。
うしろで見ている男性も
「レフト前ヒット!」とか言ってギャルを盛り上げ
隣の打席にいるわたしも
ギャルすげーわ!って思ってたら
彼女は打ちながら意外な言葉を叫んだのだった。
「当てるだけじゃダメなんだよ!!」
どうも本人にとっては
自分が球を『打ち返している』のではなく
『ただバットに当てているだけ』らしくて
それが悔しいというニュアンス。
本気だ。
同時に
野球のきれいなフォームでスイングしても
130キロ設定の球をなかなか当てられない人もいれば
彼女のように
割とめちゃくちゃなフォームからでも
器用に打つ子もいる。
これこそがバッティングセンターの良さだと、改めて思った。
『基本的にはこうしたほうがいい』
というのはあるんだろうけれど
実際はどんな打ちかただっていいのだ。
ここでは自由なんだから。
ピッチングマシンから放たれた球を
よく見て、バットを振る。
ただそれだけ。
むしろそういった謎フォームから
うまく打てる人が魅力的だと、わたしは感じる。
このギャルと同じく野球経験がなくて
謎フォーム当事者である自分も
形にとらわれない彼女を見て前向きな気持ちになれた。
まさにバッティングフォームの多様性。
これだからバッティングセンターはやめられない。
日本屈指の歓楽街バッセンあるある
打席に干からびたカラコンとか
ネイルチップが落ちてる。
あるあるーーーー!!