小売店でレジの仕事をしています。



雨で激烈に暇だった勤務日。


人のいないレジ前を小柄な女性が横切った。



ウェーブのかかったロングヘアは

ミルキーな美しいピンク色に染められ

黒いミニスカートにハイソックス+厚底靴という装い。


目周りを中心に

かなり濃いメイクが施されている。


年齢を推測するのは

もしかしたら失礼にあたるかもしれないが

60歳前後かもしれない。



「なんて自由なんだ!羨ましい!」



わたしは思わず

隣のレジに入っていた女性社員に

話しかけてしまった。


今の勤務先は

髪を明るく染めることができない。




ここで、普段は事務職である

この女性社員に(※人手が足りなくて事務の人もレジに入る)


前々から疑問に思っていた

会社の厳しめドレスコードについて

確認してみたのだった。



「白髪はそのままにしててもオッケーですか?」




わたしは現在43歳で

前髪と右こめかみを中心に白髪が群生している。


ただ、まだ圧倒的に黒髪の比率が高くて

全体で見るとそんなに目立たない。


しかし、これから

おそらく白髪が増えてくるにあたって

白髪染めはしない、と今のところは思っているので

それは大丈夫だろうかと。



今から髪を染めるとしたら

白髪染めや普通の茶色なんかじゃなくて

冒頭のお客さんのように

rockerなピンクや青などの、派手な色に染めたい。


そうしたいのが

この職場にいる限り叶わないのなら

せめて天然で発生する白い髪を楽しみたいというのが

わたしの考えである。


白と黒のコラボレーションヘアは

きっと最強に違いない。








女性社員の答えはこうだった。


「それはアリだと思うよ〜!」



ああ、よかった。




そんなの当たり前じゃないかと

思われたかた、すみません。


以前に更衣室で他の女性社員たちが

「白髪を染めないのはみっともない」的なことを

話題にしているのを聞いてしまって以来

ちょっと気になってたものだから。



アルバイト・社員ともに平均年齢が高いのに

女性従業員では白髪の者が誰ひとりとしておらず

みんな染めている。


けれども、今ここで

職場の「白髪はアリ」を確認できたことで

近い未来、わたしは染めずに堂々としていられるんだ。



あとは、いよいよ本格的に

白髪が目立つようになってきた際に

自分がどんな気持ちになるかだけ。


もしかしたら黒く染めたくなるかもしれないけれど

その時はその時で。


まぁ、それまで雇用されていればいいんだけど。





そんな流れで

ちょうど1年ぶりに美容室に行って

浅倉南カットにしてまいりました。



before


after




尚、『タッチ』は

以前の職場の同僚に借りたものの

途中で挫折して読破できないままです。




※2017年8月、甲子園球場内に置いてあったフリーペーパーから