韓国での帝王切開体験談 | 韓国で医師やってます

韓国で医師やってます

日本生まれ、日本育ちの私が、韓国で医学部に入学&卒業!現在は韓国の大学病院で産婦人科教授をしています^^
医大卒業後、非医療人の韓国人夫と結婚し、今では2児(息子•娘)の母です♡
ブログでは韓国での大学•病院生活、結婚•育児生活、趣味のアニメについて綴っています^^

明けましておめでとうございます牛

大変な事だらけの1年が終わりましたね。
私にとって2020年は政府との闘い、コロナとの闘い、娘との出会い
など、良い事と悪い事が極端過ぎる1年でした。
その内外をマスク無しで出歩ける日は訪れると思いますが、
病院をマスク無しで歩き回る日は来ないだろうな…と思うと息が詰まりますが
医療人にとっては良い変化になったのかもしれませんね。
今年は何事にも自由が少しでも増える1年になりますように拍手
 
2021年最初の投稿は記憶の整理をするついでに
娘の帝王切開時の体験談を書いてみようと思います。
医師の視線と患者の視線 目
両方から見たチョット変わった体験談になればいいなと思います。
 
私の病院での帝王切開の入院期間は4泊5日です。
これ以上入院しようとすると担当医は色んな理由をつけて患者さんを退院させようとします。
韓国では帝王切開は入院期間、入院中の内容に関係なく
値段が最初から定められています。
(包括払い方式といいます)
なので患者さんが入院中に栄養剤を投与したいと言ったり
もう一日入院したいと言って追加で何かしようとすると
病院側の利益が少なくなります。
(大量出血でICUに入院にする場合など例外になるケースはいくつかあります)
特に開腹するついでに、子宮筋腫も一緒に手術して下さいという妊婦さん
ボランティア精神溢れる医者でない限り大損なのでやりませんパー
それに帝王切開時に子宮筋腫の手術をするのは出血が多くなる可能性があるのであまりお勧めも出来ません。
癒着防止剤、鎮痛剤などは保険外項目なので同意書にサインを貰って
追加料金を受け取る事が出来ますOK
 
コロナ検査は3日前に済ませ、入院手続きを終えた後、病室へ
除毛は家でやってきたのでパス
同意書は自分で印刷してサインするセンスを発揮キラキラ
手術前日にはレジダントがいつも超音波で赤ちゃんの最終確認をするので
1年生を呼んで、練習台にしなさいとお腹を差し出しましたウインク
 
手術当日、息子の時は選択肢なしに全身麻酔だったので寝て起きたら全てが終わっていましたが
今回は勉強もした事だし、下半身麻酔(脊髄くも膜下麻酔)を経験してみようと思いそちらを選択
患者さん達に手術説明をする際「どちらの麻酔方法にしますかはてなマーク」と尋ねると
「どっちの方がいいですかはてなマーク」とよく聞き返されます。
そりゃーまー全身麻酔をしないに越した事はないですが安全第一!!
「息苦しい」「怖い」と叫びながら手術中に動く妊婦さんがたまにいるのですが
そんな事されたら非常に危ない注意ので
じっと出来ない方、起きている事が後々トラウマになりそうな方、痛みに敏感な方は迷わず全身麻酔にして下さい。
1時間全身麻酔をするからといって、そこまで体に害はないと思いますし、回復過程もほとんど変わりません。
脊髄くも膜下麻酔もこれはこれで副作用がゼロではないですからね。
(麻酔科じゃないのでこれは私の専門外です)
 
手術室のベッドに移動しエビの様に背中を丸め、背中に針が刺さって5分位でハイ終わり。
痛みはほぼ無くホンワカ温かい感じが下半身に行き渡り麻酔完了。
尿道カテーテルを入れて、お腹の消毒をし、青色のドレープをかけて、麻酔がチャント効いてるか確認した後、
「じゃー始めるよー」と教授に言われオペ開始右矢印
あら不思議びっくり 本当に全然痛くないんですねキラキラ
手術過程を想像しながら横になっていましたが
全く感覚がなく何をしているのか全然わかりませんでした。
お腹を少し押され手術開始5~10分位で娘が産まれましたハート
看護婦さんが娘の濡れた体を拭き、口の中に残っているものを取り除き、基本的な処置を終えた後、娘と初対面照れ

 最初の印象は「きゃぁぁ~ぶっちゃいくチュー ってか娘なのに息子と全く同じ顔笑い泣き笑い泣き笑い泣き」でした(笑)
産まれたばかりの赤ちゃんって水膨れしててぶちゃいくなんですが
今まで産まれた直後も可愛い赤ちゃんを沢山見てきたので
やっぱ遺伝子はどうしようもないんだなーと思いました笑い泣き
(でも今は超絶可愛いです照れ照れ照れ照れ)
40分位で手術が終わり回復室へ
ってか全身麻酔じゃないのに回復室で待機はてなマーク 
今まで知りませんでした…
手術時間とほぼ同じくらい待機させられたのがとても退屈でしたもやもや
 
病室に戻っても全然痛くない口笛
麻酔のせいかなはてなマーク 
その上下半身が全然動かないし感覚もない。
でもどうせ手術の当日は動いちゃダメなので、だったら動けなくても感覚が無くても痛くない方がいいやと気付きました目
脊髄くも膜下麻酔 万万歳グッグッグッ
朝一で手術して午後位からは麻酔の効果がなくなってきたのですが
その頃からはペインバスターの効果が!!
このペインバスター、息子の時には無かった鎮痛剤なのですが
2~3年位前から普及しだして効果が凄く気になっていたんですキラキラ
(息子の時は痛みで2日間死体の様に過ごしてましたゲッソリ)
写真はお借りしたものですが、ペインバスターは開腹したお腹に設置します。
子宮にではなく腹壁の筋肉と筋膜の間です。
基本手術後には静脈で持続的に投与する無痛点滴を使用するのですが
悪心、嘔吐、めまいなどの副作用が多くみられます。
ペインバスターはお腹に設置するので上のような副作用はあまり見られません。
無痛点滴とペインバスターのダブル使用で入院中、私は痛みが筋肉痛位にしか感じられませんでした。
でも人によっては効果を感じられない人もいるので参考にだけして下さい。
まるでぺインバスターの宣伝ですね。
でも私この会社とは全然関わりのない人間です。
 
帝王切開は基本、腸との癒着がなければ、手術後断食する必要はありません。
(不良患者な私は手術の次の日にはチキンを出前して食べてましたデレデレ)
手術翌日からは出来るだけ動きなさいと言われますが
これは動いた方が手術部位とその他の臓器がくっつかずにいるので癒着が起こりにくくなるからです。
私は朝、尿道カテーテルを抜き速攻髪を洗いました。
入院中やる事と言えば新生児室に授乳しに行く位なので
一日中病院の散歩、旦那とおしゃべり、またはアニメを見まくっていましたルンルン
息子を出産以来、旦那と二人きりで四泊外泊は初めてだったので中々貴重な時間でしたラブラブ
 
病院では旦那は娘と決められた時間に1日2回
10分位の窓越しの面会だけが可能でしたえーん
息子の時も旦那は産後調理院に入るまで
1度も息子を抱けなかったので
これはコロナとは関係ないですね。
 
入院中一番苦痛だったのは子宮収縮剤の投与でしたタラー
毎日お尻に3回…退院する日の朝まで注射されましたえーん
処方する時は何も考えず処方してましたが
患者の立場になって初めて気付くものですねガーン
後々、私が執刀医として帝王切開をする際には毎日3回のお尻注射はやめておこうと思います。
 
長くなり過ぎてとても読めたもんじゃありませんね。
新年早々スミマセン。
今年、韓国で帝王切開予定の方がいらっしゃれば
少しでも参考にしていただければ幸いです。
 
去年はブログを始め、沢山の人との繋がりが出来た事、とても嬉しかったです照れ
2021年が皆様にとって幸せ溢れる1年でありますように流れ星