それは、ただの事案です。
ちいかわ、彼らはそう名付けられた。
誰に名付けられたのかは、わからない。知る必要もない。
その世界で、彼らは何のために生まれて、何をして喜ぶ。わからないまま終わる、そんなのは嫌だとも思わず、思えず、ただただ生きながらえているのだ。
生活を維持する為に極限のストレスの中戦っている。でかつよと呼ばれる捕食者達の恐怖に怯え、鎧という名の支配者に労働力を搾取され…
決してちいさくてかわいいだけの優雅な生活している訳では、ない。
まず、1巻を開き、ぺらぺらと読み進めると、思う。
私は何を読まされているのだろう
これは偽らざる感情。妻に勧められるがままに漫画を購入し読んでみたのだが、全く意味がわからない
その生活に憧れるとか、ちいかわを愛でるとか、そんな次元にならない。これは、なんなのだろう。そんな思いだけが脳裏に去来した。
やれやれ、僕は読了した。そしてぺらりとまた2巻を手に取った。
この頃には、ハチワレという日本語を話すネコが出てきたので、幾分かちいかわの世界観を理解するのに助かるようになった。
いやん、パパン。なんとかなれー。
ここで、彼らはちいかわ族という、なんかちいさくて可愛いやつであるという朧げな理解を得る。彼らは鎧さんという支配階級により労働力として遣わされているのだが、そんな中でも地上から湧き出る食料を見つけてはささいな幸せを見つける様子を微笑ましく眺めていくのだ。
我々人間は、彼らの世界にとってのなんなのか。そんなメタファー構造をはらんでいる。メタファー言いたいだけ。
プルヤァァ
もはや固有名詞を与えられることのないうさぎというキャラクター。しかしながら冷静に考えれば、ちいかわ、ハチワレを固有名詞ととるのか。栗まんじゅうは明らかに固有名詞ではない。鎧さんだってそうだ。彼らの判別要素はラーメン屋なのかポシェットをつけているのか、それだけだ。
そう考えるとこの世界の住人は固有の名を与えられていないことがわかる。否、我々が認知できないだけなのかもしれない。そのちいかわ世界の深淵を覗ききることは、きっと不可能なのだから。
このうさぎ、物語の鍵を握るのだ。
津々浦々、という四字熟語を覗き基本的には我々の理解できる言語は発しない。しかしながら、彼のいる所に事変あり。
このプルャの前には、あの少年名探偵でさえも途中で泣き出して家に帰ります。
かと思えば、栗まんじゅうが酒を飲む。
飲む。飲む。ちいかわ、とは。
焼きスルメを日本酒でちゅびっと流し込む漫画は、さながら吉田類。ここにきて対象年齢の大きな振れ幅を見せてくれる。
郎のラーメンをシーサーが作って嬉シーサー。
パジャマパーティというアイドルグループのメンバーは死ぬ。これがリアル。ちいかわのリアル。突然なにを言っているかわからないと思うが、大丈夫。だいたい合ってる。合っているから、怖いのだ。
こいつ、君の名はしてます。ネタバレです。
サウナだって乗っかってくるんだぜ!
なんだもう朝かとひとりごつ貴方も、終始何言ってんだオメェの貴方も、ぜひ、ちいかわを手に取ってみてはいかがでしょう。
読んでみな、飛ぶぞ。