ご無沙汰してます。もう春学期が終ってしまいました。
ぼんやりとすごしてたらこんな日付になってしまいました。ごめんなさい。

前回「次回は法人です」なんてあまり考えずに書いてしまったものですから、法人について書かなくてはいけないんでしょうが、それよりもまず先に紹介しなくてはいけない概念があるので、本日はそちらを紹介いたします。

さて本日(これを書いているのが8月27日なので8月27日の日経新聞)の朝刊1面の右上の記事は

『三越、正社員2割削減へ 1000人規模、年度内めど』(日本経済新聞 2009年8月27日朝刊)

というものでした。
乱暴に要約すると、会社の維持に必要なお金を捻出するために、1,000人くらいの正社員の削減を見込んで退職者の募集を行うという記事です。見出しだけ見るとわかりづらいですが、強制的に社員をやめさせるというものではありません。
リストラなんて言葉をよく聞くと思います。
「リストラクチュアリング」という言葉の略で、日本語にすると
再構築と訳されます。
普通、リストラというと「社員をやめさせること」という程度の意味でしかつかわれません。
が、本来の意味からすると、社員の数に関係なく組織を「再構築」していればそれはリストラです
日本に限らずほかの国でも「社員をやめさせること」という意味で使われているらしいのですが、だいぶ意味が限定されてしまっていますね。

本題に入ります。
今回の題名は「経済の主役たち」とあります。
もちろん経済の主役は一人一人の人間なんですが、
ここではもっと大きな枠組みで見ていきます。
日本の経済を「役割」という単位で見ると、
一番おおざっぱに見て3つに分けることができます。
それは家計」「企業」「政府の3つです。この3つのことを経済の三主体といいます。

●「家計」
 これはわかりやすいですね。私たち一人一人の集合体です。
 具体的には「2丁目の山田さん」とか「隣の田中さん」とか「クラスのあの子」とかです。
 企業で働いてお金を稼いで、稼いだお金で生活をしています。
 「企業」に対してお金を払ってモノやサービスを買ったりしています。
 逆に、「企業」で働いたりしてお金をもらっています。
 「政府」に対して税金を払っています
 逆に、「政府」からサービスを受けたりしています。

●「企業」

 いろんな会社の集合体です。
 具体的には「マクドナルド」とか「任天堂」とか「三菱東京UFJ銀行」とかです。
 企業はお金を得るためにモノやサービスを提供する役割を持っています。
 企業の目的はそれぞれ違っていますが、共通している目的もあります、それは「お金を稼ぐこと」です。
 「家計」からお金を受け取り、モノやサービスを売っています。
 逆に、「家計」が働いてくれたことに対してお金を支払います。
 「政府」に対して税金を払っています。
 逆に、「政府」からサービスを受けたりしています。

●「政府」

 日本国政府とか地方自治体と呼ばれているものです。
 具体的には「富山県」とか「調布市」とか「日本国政府」です。
 「企業」がやりたがらないけど社会的に必要なサービスを提供しています。
 たとえば道路工事とか警察とか消防とか。
 「政府」の目的は社会をより住みやすいものへと導いていくことです。(多分) 
 「家計」「企業」から税金を受け取っています。
 逆に、上に書いたように「家計」「企業」へサービスを提供しています。


(補足)財/サービス
 上で、「モノやサービス」という言葉を使っています。
 モノ」は実体のある物です(ポッキーとかにんじんとか米とか宝石とか)。
 かしこまって「」なんて書いたりもします。
 サービス」は実体のないものです(散髪とか塾に通って授業を受けることとか)。
 かしこまっても基本的には「サービス」と書かれます。
 「モノ(財)」は目に見えますが「サービス」は目に見えません


今回は短いですが、経済の3主体とその役割について説明しました。
次回はやっと法人でしょうかね。がんばります。

今回のまとめ

●経済は役割によって大まかに分けて「家計」「企業」「政府」の3つの主役たちからなる。
前回の記事で、「需要と供給に関してはこれで終わりです」というようなことを書いたと思いますが、もう少し知っていただきたいことがありましたので、今回も需要と供給に関する記事です。

妹にプロフィール画像を提供していただきました。哀愁漂う風体。

『PB商品販売35%増 セブン&アイ・ユニーなど 10社、値下げ検討』

15の会社を調査したら、PB商品を去年よりも35%多く売ろうとしているということがわかったと報告している記事です。
よくわからない言葉は↓これくらいでしょうか。
PB商品

PBとは、プライベートブランドの略のことです。
通常コンビニに置いているパンなどは、それを製造しているメーカーがコンビニ等に売り込むことで、はじめてコンビニの商品棚に並ぶことになります。
PB商品は、これとは違い、コンビニやスーパー等が独自にパンを開発して売り出す商品のことです。


前回は需要と供給の関係について少し詳しく掘り下げました。
ひょっとしたらこんな疑問がわいた人もいるのではないでしょうか。
「価格以外にもモノを欲しいと思う気持ちを左右させるような事柄はたくさんあるけど、あのグラフにはそういったことまで考えられているの?」
実は考えられています。

需要から考えてみましょう。
たとえばコンビニに置いてあるおでん。冬は人気のある商品ですが、夏にはあまり食べたいと思わないでしょう。つまり、冬は需要量が多く、夏は需要量が少ないわけです。
これをグラフに表してみると、下のようになります。

経済オンチと呼ばないで -日経を読むための基礎知識-demand2

同じ値段でも、左のグラフ、真ん中のグラフ、右のグラフで量が変わっています。
値段以外が要因となり、需要量が変化する場合、グラフは変化に合わせて移動します。
冬のおでん → 同じ値段でも需要量が増えている → グラフは右側に移動
夏のおでん → 同じ値段でも需要量が減っている → グラフは左側に移動

値段以外にモノを欲しいと思う気持ちを左右させる事柄は、図にするとグラフの左右移動として表現できるわけです。


次は供給について考えてみましょう。
50円で45個のお饅頭を作って売っているとしましょう。ある日お饅頭を作る機械が新しくなり、50円で65個作れるようになったとしたら、供給量が45個から65個に増加します。ところがまたある日、機械の調子が悪くなってしまい、50円で25個しか作れなくなってしまったら、供給量は25個に減少してしまいます。
これを図に表すとしたのようになります。

経済オンチと呼ばないで -日経を読むための基礎知識-supply2

需要の時と同じように、供給の時も、値段以外の要因で量が変化する場合は、グラフが左右に移動することで変化が表現されます。

新しいお饅頭製造器 → 同じ値段でも供給量が増えている → グラフは右側に移動
壊れたお饅頭製造器 → 同じ値段でも供給量が減っている → グラフは左側に移動

さて、今までのグラフの移動を考慮して需要と供給の図を作ると下のようになります。
経済オンチと呼ばないで -日経を読むための基礎知識-de_sup2

なんじゃこりゃ!
となっている方もいらっしゃるかと思います。かなりたくさん交わる点ができてしまいました。
ちょっとわかりづらい図になってしまったかなと反省しております。
需要のグラフと供給のグラフが交わっている点はすべて均衡点です。

冬場にたくさんのおでんが出まわる → 需要・供給を表すグラフが両方右側に移動 → 均衡点が右へ移動
夏場に少しのおでんしか出回らない → 需要・供給を表すグラフが両方右側に移動 → 均衡点が左へ移動

このように、均衡点はいろんな要因によって移動しうるということがわかるかと思います。
他にもどんな場合に需要・供給のグラフが移動して、どのような場所に均衡点ができるか考えてみると面白いかもしれません。

今日はこの辺りで、次回は「法人」について書いてみようと思います。

【本日のまとめ】

●値段以外の要因で需要量や供給量が変化する場合、グラフの左右移動で変化が表現される

●その結果、均衡点はいろんな場所に移動しうる

今朝の日経1面はこんな内容でした。どんどん解説が必要な単語が増えていって、すでにあふれてる私のキャパ。収拾つくんでしょうか。

『銀行機密情報 租税回避地に開示要請 脱税防止へ条約に規定 政府、まずスイスに』
(日本経済新聞 2009年4月15日 1面)

なんじゃこりゃ度はかなり高めです。
租税
租税回避地タックスヘイブン
脱税
このあたりがちょっと見ただけではわからない単語でしょうか。
脱税を防止するために日本政府がスイスと条約をめぐる交渉に入ったことを紹介している記事です。
ただ、どうして脱税を防止するためにスイスと交渉する必要があるのか等、背景を知っていないと(一応記事で解説もしているものの)いまいち理解しづらいですね。


さて、本日は需要と供給の関係をもう少し掘り下げようと思います。

モノの値段と需要の関係を考えてみましょう。
値段がどうなっている時、私たちはモノを「欲しい!」と思うのでしょうか。欲しいと思うものにもよりますが、普通は「値段が安ければ安いほど『欲しい!』と思う気持ちは強く」なるでしょう。逆に、「値段が高ければ高いほど『欲しい!』と思う気持ちは弱く」なります。

さて、需要は数にあらわすことがとても難しいです。どれだけ人が「欲しい!」と思っているかは気持ちの問題ですから。
ここでは、「そのモノがいくつ欲しがられているか」で需要を表そうと思います。

例えば、あるお菓子の値段が100円なら「欲しい!」と思う人が10人しかいない場合でも、10円なら「欲しい!」と思う人が40人に増えたりします。あくまでたとえなので、数字は適当です。

この関係をグラフにしてみると、
このようになります。縦軸にお菓子の値段、横軸に欲しがられているお菓子の数をとっています。
グラフに拒否反応さえ示さなければ、とくに難しいことはないと思います。


さて、今度は供給と値段の関係を考えてみましょう。
お菓子やさんの立場になって考えてみてください。お菓子の値段が高いか低いか、どちらの時にお菓子をたくさん売りたいと思うでしょうか。
普通、たくさんお金が入る方がうれしいわけですから、お菓子屋さんにとっては「値段が高ければ高いほど売るモノの数は多く」なります。逆に、「値段が安ければ安いほど売るモノの数は少なく」なると考えられます。

これをグラフにすると、

このようになります。縦軸にお菓子の値段を、横軸に売りたいお菓子の数をとっています。
お菓子の値段が上がれば上がるほど、売りたいお菓子の数が増えているのがわかると思います。


さて、この二つのグラフを、同じ図で表すと、下のようなグラフになります。




経済オンチと呼ばないで -日経を読むための基礎知識-de_sup_ac




ある一点で交差してるのがわかりますね。この点を「均衡(きんこう)点」といい、均衡点の時の値段を「均衡価格」、均衡点の時の数を「均衡数量」と言います。

じつは、お菓子のいまのところの値段と数にかかわりなく、モノの値段は均衡価格に、数は均衡数量に近づいていくという性質を持っています。

たとえばお菓子の値段が100円だった場合、供給を表すグラフを見るとお菓子屋さんは40個お菓子を用意しますが、実際に売れる数は、需要を表しているグラフを見ると10個ですね。お菓子屋さんは30個分の売れ残りを抱えることになります。

そこでお菓子屋さんは少し値段を下げます。そうすると少し買う人が増えます。こうやっていくことで、だんだん均衡点に値段と数が近づいていきます。

逆に、お菓子が10円だった場合、お菓子屋さんは10個お菓子を用意しますが、実際にお客さんが欲しがる数は40です。30個分お菓子が不足します。

そこでお菓子屋さんは、「これはもっと値段を高くしても売れるぞ」と考え、値段を高くし、同時に数量を増やします。そうすると少し買う人が減ります。こうやっていくことで、だんだん均衡点に値段と数が近づいていきます。

需要と供給の関係によって、世の中に出まわるモノの値段と数が決まっていくのです。
このメカニズムを、有名な経済学者であるアダム・スミスは「神の見えざる手」なんて表現しました。

今日はこの辺りで。需要と供給の関係は多分これでおしまいだと思います。

【今日のまとめ】

・ 値段が安いほど需要が高まり、供給が少なくなる
・ 値段が高いほど需要が少なくなり、供給が多くなる

・ 値段が高すぎても安すぎても、値段は均衡価格に近づいていく
・ 数が多すぎても少なすぎても、数は均衡数量に近づいていく