放射能というものがよく分からないため、必要以上に怖がったり、悲しいかな福島から来た子供たちが放射能が移ると言っていじめにあったりといったことがあるようです。
昔々、人知を超えた現象には、お化けだ、いや霊だ、などと言っていたのですが、今の放射能騒ぎは、それに似ている気がします。
でも放射能は分かっていることですので、自分できちんと知った上で怖がりましょう。
放射能とはこれから長いつきあいになるかもしれません。
前回、ヨウ素とセシウムの説明をしました。
今回は、これらが体内に入ってしまうとどうなるかを考えてみたいと思います。
ヨウ素は、甲状腺ホルモンを作るのに必要な元素です。昆布などに多く含まれています。
通常、食物から採るヨウ素は放射能はありませんが、原子炉で漏れ出たヨウ素は、放射線を出しています。
このあたりの詳細な説明は1回目でしてありますので、興味のある方はそちらを読んでください。
身体にとっては、昆布に含まれるヨウ素も、原子炉から漏れ出たヨウ素も、同じヨウ素です。
これを食事などで採ってしまうと、甲状腺に蓄えられてしまうのです。
甲状腺内から放射線を出して、内部から被爆させます。よって、甲状腺ガンになる確率が上がります。
これを防ぐには、安定ヨウ素剤を飲みます。甲状腺の中に放射線を出さないヨウ素で満たしておけば、過剰なヨウ素は体外に排出されるということです。
”安定”とは、放射線を出さないという意味です。
高校時代に元素の周期律表を習った記憶がある方も多いと思います。
原子番号で並べられているのですが、化学的性質が似ているものが周期的に現れるので、それが一目で分かるように作られているのです。
つまり、周期律表の縦の列は、化学的な性質が似ているということになります。
では、セシウムが体内に入るとどうなるか。
周期律表を見ると、セシウムの縦の列にカリウムがあります。
これは、体内のカリウムがセシウムで置き換わってしまうことを意味します。化学的性質が似ているためです。
ヨウ素は甲状腺にピンポイント的に溜まるので予防ができましたが、カリウムは人体に広く分布するので、カリウムと置き換わってしまうセシウムは予防することはできません。
体外に排出される期間はカリウムの代謝期間と同じです。
筋肉や腎臓を通るので、そこから放射線を出し続けます。
もうおわかりのように、放射性物質が体内に入ってしまった場合、それを防ぐには生体機能を利用して行うしかないのです。安定ヨウ素剤でセシウムの予防はできません。
最近、ストロンチウムが検出されたとニュースでありましたが、これも周期律表を見ると、縦の列にカルシウムがあるのが分かります。
化学的性質が似ているため、身体はストロンチウムかカルシウムか判別できずに、骨に取り込んでしまいます。骨の中から放射線を出し続けることになり、体外に排出されるには骨の代謝の期間となります。
チェルノブイリでは、女児の甲状腺ガンが多く発生しました。
今回の事故と単純には比較できないですが、子供たちのガン発生率が増えてしまわないか心配です。