幻の国産戦闘機シリーズ【第5回】
キ98 ― 双発・双胴の異形戦闘機、その真価は?
戦局が極まる太平洋戦争末期、
日本陸軍が構想していた、これまでにない“異形”の戦闘機がありました。
それが【キ98】です。
✈️ キ98とは?
キ98は、双胴・双発の高高度戦闘機として開発されていた機体。
外見はアメリカの「P-38ライトニング」にも似た、双胴レイアウトが特徴です。
🔧 計画スペック
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全長:約11.2m
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全幅:約15m
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エンジン:ハ211ル 空冷式 2基
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最大速度:約700km/h(計画)
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武装:37mm機関砲×1、20mm機関砲×2(予定)
機体中央に操縦席と武装を集約し、左右にエンジンポッドと脚を配置。
“攻撃力と安定性”を兼ね備えた、まさに次世代の迎撃戦闘機を狙った構造でした。
🛠 なぜ幻に終わったのか?
結論から言えば――試作機完成直前に終戦を迎えたためです。
製造は九州飛行機(現・新明和工業)が担当。
機体は完成間近だったものの、連合軍の進攻が迫る中、完成前に計画破棄。
さらに、工場も空襲を受け、資料や機体は焼失したと言われています。
💭もし実戦に出ていたら?
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B-29迎撃任務に加え、対艦攻撃にも対応できた可能性あり
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双胴構造による安定性で、重武装・長距離飛行も可能だったかも
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戦後、日本の戦闘機設計思想に影響を与えていた可能性も…?
その機体は、まさに“未来の戦闘機”の姿だったのかもしれません。
▶︎次回予告!
次回はいよいよ最終回、
幻の中の幻――キ200「震電改」構想に迫ります!
ロケット推進からジェットへ。
もしも戦後に続いていたら、日本の空を制した戦闘機はこれだったかも?
どうぞお楽しみに!