【第3回】F-4 ファントムII ― “重くて速い” アメリカの万能戦闘機
1960年代から活躍し続けた、アメリカ生まれの傑作戦闘機「F-4 ファントムII」。
重厚な見た目とは裏腹に、爆速で飛び、空も地上も海もこなす、まさに“万能型”の戦闘機です。
元は海軍用、だけど大出世
F-4はもともとアメリカ海軍向けに開発された戦闘機でしたが、
そのあまりの高性能っぷりに空軍・海兵隊にも採用され、さらにNATO諸国や日本にも輸出されました。
運用国はなんと10か国以上。
日本の航空自衛隊でも「ファントムおじさん」と呼ばれるほど、長く親しまれてきました。
スピードはマッハ2超え!
F-4の最大の特徴は、とにかく速いこと。
2つのエンジンで一気に加速し、最高速度はマッハ2.2(約2,700km/h)!
また兵装も豊富で、空対空ミサイル・爆弾・偵察ポッドまで幅広く搭載可能。
「戦えない任務はない」と言われるほどのマルチロール機でした。
でも…運動性能は“鈍重”
スピードは抜群なんですが、F-4は旋回性能がイマイチ。
ドッグファイト(空中戦)では軽量なミグ戦闘機に苦戦することも多かったそうです。
この欠点を補うために、後に空中戦用の機関砲が搭載されたり、電子装備が強化されたりして、どんどん進化していきました。
日本でも長く現役だった
航空自衛隊では1971年から導入され、2020年まで約50年間活躍。
F-15にバトンタッチするまでの間、日本の空を守ってくれていました。
今では岐阜基地や百里基地などで保存・展示されており、
引退後もファンの心に残り続けている戦闘機です。
次回は、F-4ファントムの“後継”とも言われる「F-15 イーグル」を取り上げます。
コメントやリクエストがあれば、お気軽にどうぞ!

