婚外子相続格差違憲の最高裁判決 | せんとう法律事務所のブログ

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弁護士の仙頭真希子です。





本日、最高裁で、婚外子の相続分を法律婚の夫婦の間にできた子供の


2分の1とする民法の規定が、法の下の平等を定めた憲法14条1項に


違反して、違憲であるとの判断が出ました。




婚外子の相続分格差については、1995年に最高裁が合憲との


判断を出していましたが、父母が婚姻関係になかったという子にとって


自ら選択、修正する余地のない事柄を理由に、この子に不利益を及ぼすことは許されないという反対意見が繰り返し述べられていました。




日本以外で、相続分に差異を設けている国は欧米諸国にはなく、


世界的にも限られた状況で、日本政府は国連の委員会から


法改正を求める勧告を繰り返し受けていたようです。




今回の違憲判断により、近々民法の規定も改正されることに


なると思われますが、今回の違憲判決は、2001年7月から


本決定までの間に開始された他の相続につき、すでに確定した


法律関係に影響を及ぼすものではないとしています。





すでに、2分の1の相続分で決着した婚外子の方には


気の毒な気がしますが、かといって、これまでに確定したものも


翻って無効となると大変な混乱を生じるので、やむを得ないという


ところでしょうか。





相続の相談を受ける際に、遺産分割をいつまでにしなければ


ならないかという質問をよく受けますが、相続税の申告の期限は


あっても、遺産分割自体をいつまでに終わらせなければならないという


決まりはありません。





そのため、何十年も相続手続きがなされないまま、故人名義に


なっている不動産などがあり、それをいざ誰かが何らかの事情で


利用したいときに相続手続きをしようとしても、相続人がすでに


亡くなっていて、さらにその相続人が何人もいて、誰に連絡をしてよいか


分からず、手続きがスムーズに進まないということはよくあります。





時間が経つに従い、相続人も高齢となり、自分の意志を表明することが


できなくなる人が出てきたり、相続人同士のつながりも薄くなり、


円滑に協議が進められないということになりかねません。





話し合いが難航する相続の手続きを進めるのは気が重い


ものですが、そのような場合は、弁護士に代理人となってもらい、


代理人を通じて話をすると、直接相手と関わらなくて済むので


感情的な対立を緩和することができ、話し合いをスムーズに


進めることができます。





また、相続手続きが一段落した時点で、自分の両親の相続の際に、


もめて大変だった経験から、自分はきちんとした遺言書を書いておこうと


考えるきっかけにもなります


自分の遺言書を作成するというのは、非常に重要なことですが、


公証役場で様々な打ち合わせをして、実際に公正証書を作成する


というのは、一般の方にとってはあまり簡単なことではないので、


何らかのきっかけがないと、なかなか公証役場に出向こうという


気持ちになりにくいものです。





当事務所でも、遺産相続の依頼をしていただいた方から、


引き続きご自身の遺言書の作成を依頼されることがよくあります。


弁護士とつながりができたので依頼しやすいということもあるようです。





相続手続きがまだ終わっていない方、遺言書の作成を考えているが


何から初めてよいか分からないという方がいらっしゃいましたら、


ぜひご相談ください。