次から次へと起こってしまう、経済事件。
私は、大学生のときから株投資をしており、 会社が問題を起こして、

“潰れてしまう、株が紙切れになる”
を見聞きすることには、すっかり慣れた感じです。


最初に遭遇したのは、株を始めて間もない頃。 タテホ化学のインサイダー取引事件でした。
大企業が犯罪に関わるなんて・・・ 暴落した株価を目の当たりにして、本当に驚きました。
社会的に多大な責任を持つ経営者が、なぜ悪質なことをするのでしょうか?
交際していた証券マンたちと、その都度、話し合ったものです。
 

さて、後に日本振興銀行役員になった赤坂俊哉さんは、20代の多くを司法試験の勉強に
費やしたらしく、株投資(短期でトレードして利益を出す手法)には詳しくありませんでした。
ただ、ハニックス工業社長による事件、1993年師走 “脱税容疑をかけられ、抗議の自殺” 

については、批判的な見解をしていました。

(その株主たちは、社長の自殺で株券の価値がなくなり、損害を被った)

赤坂さんが

「命をかけて訴えたかったのかもしれないが、言葉を使わなければ、理解されない。

上場した社長としての責任感が全くない」
と言っていたことは、はっきりと覚えています。

事件の起きた日、クリスマスディナーをいただきながら語り合ったため、彼の声や表情は、

今でも忘れません。

 

そんな彼自身が20年後、自殺をするとは・・・人生って、先行き分からないものです。
日本振興銀行関連で、赤坂さんがとくに悩みを口にしていたのが次の3社絡みの案件です。

 


● SFCG (大島健伸社長)
 改正貸金業法を機に、振興銀行はSFCG(商工ローン最大手)から債権を安く買い取り、
自行の新たな貸出先に振り替えた。

BBネット (田中英司社長)
 銀行代行業務を無許可で行っているBBネットファイナンス(BBネットの子会社)と提携し
振興銀行の新規融資に関する業務を委託していた。

● インデックスHD (落合正美社長)
 国内外での派手なM&Aにより拡大路線を図っていましたが、それに伴う問題も増大。
経営状態が厳しくなったインデックスは第三者割当増資を実施、振興銀行が引き受ける。


 

日本振興銀行は未上場だったために、経営内容を詳しく開示する義務がありません。

それに甘んじて、隠ぺい体質が強まったのでしょう。

上記3社と業務を交わす中で、経営利益を優先し違法性のある取引を行うようになり

関わる領域も拡大。隠そう、誤魔化そう、とした実態が次第に露呈していきます。


また、3社とも “辣腕経営者”  が率いる企業として注目されていたこともあり、

各社抱えていた問題が発覚したことで、株式市場も大変な騒ぎとなりました。