noteに書いた通り、先日、万葉の湯に家族で行ってきた。

俺はタトゥーが入っているので大浴場は利用できないけれど、個室の内風呂なら利用できる。もちろん、バレなければ、の話だけれど。


息子と妻がマッサージコーナーに行っている間、ひとりで檜風呂にのんびり浸かりながら、ぼんやり窓の外を眺めていたら、昔のことを思い出した。


14、5年前、職場の後輩の女の子と不倫していた頃、ふたりで群馬県に旅行したことがあった。彼女が車を運転したのだけれど、免許を取り立てだったので、めちゃくちゃ道に迷ったことを覚えている。

どうにか宿に到着し、ふたりで部屋にある露天風呂に入った。ふたり並んで湯船に浸かり、途中で食べたざる蕎麦が美味かったとか、あそこの道を右に曲がったせいでめちゃくちゃ時間ロスしたよねとか、取り留めもないことを話した。


「奥さんと旅行して、露天風呂でエッチしたことありますか?」

突然、彼女が訊いてきた。

俺は「あるよ」と答えてから、「俺の嫁さんの話はやめようぜ」と言った。

彼女はそれを無視して、「じゃあ、奥さんと旅行して、露天風呂でフェラでイカされたことはありますか?」と更に訊いてきた。

「ないよ」と俺は内心でうんざりしながら答えた。

彼女は大真面目な顔で「じゃあ、わたしがしてあげます」と言った。

「ずっと運転してきて疲れてるだろ?そんなことしなくていいよ」

「腰をあげてください」

彼女が俺の言葉をシカトして言う。俺は諦めて腰を上げた。彼女は俺の腰を抱え込むようにして俺のポコチンを咥えた。彼女の頭が上下して、その度に水音が響いた。

彼女はあまりフェラが上手くなかったので、時々、裏筋に歯が当たった。

早く射精して彼女を休ませてやらないと。俺は目を閉じた。


しばらくして俺が射精すると、彼女は俺のザーメンを湯船の外に吐き出し、口をゆすいだ。

「気持ち良かったですか?」

「うん。ありがとう」

本当は裏筋が軽くじんじんしていたけれど、言わなかった。

彼女は俺の腕にしがみついて、「どうしてわたしと結婚してくれなかったんですか」と言った。

「君に会うより嫁さんと会う方が早かったから」

「じゃあ、奥さんよりわたしと先に出会ってたら、わたしと結婚してましたか?」

俺は少し迷ってから、「そうだね」と言った。そう言うしかない。

彼女はため息をつき、「でも、そしたら、きっと今のわたしみたいな女の子と浮気しますよね」と言った。


彼女は数年前に職場の同僚と結婚し、幸せに暮らしている。まだ会社にも残っている。彼女の旦那のポコチンの裏筋は無事だろうか。


そんな、しょーもないことを考えていたら、妻と息子がマッサージコーナーから戻ってきた。つくづく俺はどうしようもない奴だなぁ、と思った。でも、仕方ない。与えられたカードでなんとかするしかない。なんて言ったりして。