横浜のニューハーフ専門のヘルスに電話すると、目当てのキャストさんが運良く空いていた。

もともと新宿店在籍のようなのだけれど、たまに横浜店に出張してきているキャストさん。前々から気になっていたのだけれど、タイミングが合わず指名できずにいたのだ。


指定されたマンションに向かうと、彼女が笑顔で出迎えてくれた。背が高く、ちょっとハーフっぽい顔立ちをしている。ポコチンはついているけれど、おっぱいは手術していて、Dカップ。

はっきり言ってその辺を歩いている女の子より断然かわいい。

プレイも最高だった。90分8万円くらいするそこそこ高いソープに行った時のような感覚を味わえた。次から絶対に指名しようと心に誓った。


プレイの後、全身をマッサージしてくれた。たまに風俗でプレイの後にマッサージしてくれるキャストさんがいるけれど、今回は圧倒的に上手かった。かなり気持ち良い。

そう伝えると、彼女は「ありがとう」と笑った。「おちんちんも身体も気持ち良くなってくれて嬉しい」。


「わたしもタトゥーいれたいんだけど、痛かった?」と彼女に訊かれた。

「箇所による」と俺は答えた。「でも、医療脱毛や豊胸手術のほうが痛いんじゃないかな」

「そうかもね」と彼女は笑った。「おっぱいの手術、ほんとに痛かった。わたしは麻酔が効きにくい体質みたいで、痛すぎて気絶しちゃったもん。医療脱毛も場所によって泣きたくなるほど痛かったし」

「じゃあ、その綺麗なカラダは努力と涙の結晶ってことだね」

「そうだね。どんなに痛くても、女の子らしくなりたいもん」


マンションを出た後、近くの公園でぼんやりした。色んな人生があるもんだな、と思った。推しのためにカラダを売る女の子もいれば、痛みと引き換えに女の子になろうとする人もいる。俺みたいに、毎日をぼんやり過ごしている奴もいる。

腹が減ったけれど、財布にはもう1円も入っていない。

原付に乗ろうとすると、眩暈が襲ってきた。やれやれ。いつになったらまともな人間になれるのだろう。この年齢になって自分が欠陥品だと実感させられるのはけっこうつらい。


休憩を挟みながら帰宅し、泥のように眠った。また朝になれば、濱マイクが頭の中で「最悪の一日はこうして始まった」と暴れ回るのだろう。