日付が変わって、昨日は、祖母の七回忌法要に出席する予定だったのだけれど、朝から眩暈がひどくて欠席してしまった。


午前中は、眩暈がして、おさまって、眩暈がして、おさまって、てな感じで断続的にやって来る眩暈のせいで何も出来ず。


午後になって調子が良くなってきたけれど、大人しくしていた方が良さそうだと思い、うちで寝ていた。

横になって本を読んだり、音楽を聴いたり、オーディブルを聴いたりしながら、俺はどうなってしまうのだろう、と考えた。心がざわざわして、身体が泥のように溶けてしまう気がした。消えてなくなってしまえばラクだよなぁ、と思った。


そんな俺を残して妻は呑みに行った。まぁ、俺の眩暈なんていつものことだし、妻は酒を呑まないと死んでしまうのだ。仕方ない。妻は毎週土曜日に必ず呑みに行く。おそらく、明日、世界が終わるとしても呑みに行くだろう。

息子は部屋でゲームに熱中し、話しかけてもうわの空。思春期なんだから仕方ない。親なんてうるさいだけの存在なのだ。


夜10時過ぎ、無性に寂しくなったので、原付で出掛けた。何となく、日の出町まで原付を走らせた。原付を駐輪場に停め、川沿いの道をぼんやり歩いた。ソープ街に差し掛かると、かつて馴染みだった店が見えた。入りたかったけれど、財布に1000円しか入っていないので諦めた。更にふらふら歩き、ホテル街のほうに行くと、ちらほら立ちんぼがいた。この辺にもいるんだなぁ、と思った。外国人に混じって日本人の女の子もいる。ホテル街を通り抜けても、立ちんぼは誰も話しかけて来なかった。きっと金を持っていないように見えたのだろう。大正解。

まぁ、仮に話しかけて来られても1000円じゃ話にならないけれど。


ふいに、スマホが鳴った。妻からだった。

「君、どっか出掛けてるの?〇〇(息子)がうちでひとりなのにどうして出掛けちゃうわけ?」

「あいつはひとりでいたいんだよ。そういう年頃だろ」

俺が言うと、妻はため息をつき、「そういう問題じゃないでしょ」と言った。

「夜は危ないからひとりにしておかないで。わたしが呑みに行ってる時はちゃんと〇〇(息子)を見ててよ。どこにいるのか知らないけど、今すぐ帰って」

分かった、と言って電話を切った。

叫び出したいような気分だった。けれど、妻の言うことはもっともだった。息子の特性のことを考えれば、夜はひとりにしておかないほうがいい。


急いで帰宅すると、息子は相変わらずゲームをしていた。俺がうちを出た時と同じ体勢だった。


SUPER BEAVERの「名前を呼ぶよ」を聴きながら風呂に入った。先月、息子の誕生日にみなとみらいで聴いた曲だ。聴きながら、いつのまにか泣いていた。やれやれ。