「天然記念物とは、日本の貴重な自然で、学術上の価値の高い動物、植物、地質・鉱物などを、国や地方自治体が指定したもの。そのなかでも特に貴重なものは特別天然記念物に指定される。」
(環境goo より抜粋)
学会でもっとも権威のある民俗学者が
諮問委員会で発言します。
『 夕鶴 』 というとても哀しく、とても美しい戯曲があります。
その原典は民話ですが、これは地域によって内容が違いますし
時代によって少しずつストーリーも変えられています。
教訓が盛り込まれることもありますし、本当は恐ろしかったこともあります。
また、近代では心理学や民族学などの学問的見地から読解も行われました。
いずれにしても鶴は古来、縁起のいい美しい鳥、守るべき大切な生き物として
鄭重に遇されてきました。
「私たちはこのことに応えなければなりません」
「つまり、彼らを天然記念物に、いいえ、特別天然記念物とすべきでしょう」
「如何ですか、みなさん」
民俗学者の甲高い一声が会議室に響きます。
異議を唱える者はなく、満場一致でその種を特別天然記念物に指定することが
採択され、署名するために書類が出席者にまわされました。
民俗学者も自分の鋭い嘴を細長い壜に入れて、その先に大豆汁をつけました。
(このイラストは 「 四季の素材 十五夜
」 様からお借りしました)
