拝啓
堀井木彫り熊先生。
お元気ですか。
わたしは相変わらずです。
しばらくお会いできないうちに
事務所の移転、雑貨店の開店、
あの仕事、この仕事です。
わたしのお仕事は、
木彫り熊とは関係
ありません。
自称木彫り熊コーディネーター。
ははは。
とても木彫り熊に興味があって、
大好きで、のめりこんで、
そのうち
ルーツ、歴史を学びたくなり、
勢いあまって
木彫り熊発祥の地、八雲町へ。
当時の商工観光課の荻本さんとは
今も交流が続いています。
こんなにかわいい木彫り熊。
たぶん道民も知らない木彫り熊。
だけど北海道土産としては
あまり人気がないイメージ。
特に牙をむきだした熊は
こわいかんじもするかもしれません。
わたしがすきな木彫り熊も
どこかかわいらしい表情のある熊です。
デザイン事務所にいた木彫り熊。
鮭をくわえていても
優しい顔の堀井流木彫り熊。
堀井木彫り熊先生との交流も
突然の訪問から始まりました。
工房にお邪魔しては
制作中の木彫り熊を見せてもらったり
作品ひとつひとつ丁寧に
説明してくださいました。
わたしの木彫り熊熱にも
共感してくれ、
いつも「がんばれ」と言ってくれました。
わたしいっそのこと
木彫り熊を自分で掘って
それをひろめていければいいのですが、
時間も約束もできないので、
堀井木彫り熊先生にお願いして
鮭をくわえた木彫り熊を制作してもらい、
それから型を取って、
キャンドルを作らせてほしい!って、
お願いしてしまったんです。
「くだらん!」って怒られるだろうな。
と覚悟していました。
「できるのかわからんけど、
やってみなさい」と。
安心して
とてもうれしかったです。
キャンドルになれば
お土産としても
お土産じゃなくても
かわいい!って
買ってくれる人が
いるんじゃないかなって。
わたしなら絶対ほしい!と。
そんなやりとりから
もう何年か経ってしまいました。
四肢で四つん這いになった
熊のシリコン型を作ってくれるところを
見つけるのにも一年以上。
やっとできたシリコン型で
キャンドルを作ってくれる工房には
とうとう巡り合えず、
このごろは3D制作会社さんも
訪ねてみるも、キャンドルは断念。
ずーーっと、
デスクの上に置いてある
見本になった木彫り熊を眺めては
できないかもな。なんて。
これじゃ
木彫り熊先生を待たせすぎだ。
ところが
灯台下暗し。
台湾出身の同僚アレン。
デスクの上に置いてあった3D製品制作会社さんが
「お役に立てなかったから」といって
作ってくれたミニ木彫り熊。
これを見て「欲しいかも」と。アレン。
「いやでもキャンドルじゃなきゃだめなんだ」
とわたし。
「台湾の友達でキャンドルを作れる人(会社)が
いるかもしれない」とアレン。
絶叫する、わたし。
早速、諦めかけていた
木彫り熊のシリコン型は先日
台湾へと旅立ったのです。
がんばってね。
どうか、なんとか、とにかく、
信じてる!
待ってるから!
無事に戻ってきてください。
堀井木彫り熊先生。
本当に先生の木彫り熊型のキャンドルが
できたら、すぐに持っていきますから。
もう少し待っていてくださいね。
もう少し諦めません。
小石川