団子人間 ショートバージョン | ガバガバ日記〜かつめしんく〜

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2030年、人間の生活は効率化の一途をたどっていた。そのムーブメントの中で開発されたのは人間団子と揶揄される人間階層化手術である。

夫婦と子供、時に爺婆の生活において自動食など効率化できる部分は既に着手されつくしており、ついに人間の上に人間を重ねるという構想が実現された。

頭の上に頭を載せることでスペースは節約でき、どちらかの意識で食事をすれば栄養は満たされるし記憶が共有されているので味も思い出すことができる。排泄物も半減し、必要な栄養も頭だけが2つあるわけなので半分で良い。

政府は人間階層化手術に対して国が7割、自治体が2割の補助金を出すことに決めた。

池田家もまたそんな家族の1つである。

「パパが上で私が下でいいでしょ?」
「いや、俺が下だ!身体も生理が面倒だから俺のだ」
「ママー、ご飯まだ?」

現代の技術では2つを超える頭の背のりならぬ頭(ず).のりは可能であるものの、成長途中の子供を合体することはできなかった。

年寄りを合体することは可能だが、寿命が尽きた際に切り離しの費用がかかるのと、昔の倫理観から忌避する者が多かった。結局池田夫妻は夫婦間で階層化を終えた。

「サトシもいつか私達と合体しましょうね?不景気だし。」
「うん、わかった…」

こうして人間が必要とする資源の削減は達成された。


2035年

拝啓 かつめし様 母は認知症を発症致しました。認知症は現代の医学でも完治することは不可能でありまして、無理矢理治す薬も高値で存在致しますものの、投与後の患者は症状は改善するものの、別人かのように性格や趣向が変わるといいます。

そして、巷ではあの薬は人格を消す薬で、治った後の人格はそこら辺を彷徨っている霊的なもの又は新たに発生したもの又は1番上の階層の1つ下の人格なのではないかとのオカルト的理論も流行しており、まるで昔の人間が菌がどこから来るのか実験したように除霊して結界をはった部屋で死刑囚に薬を飲ませて実験する輩もいるほでです。

私はこのような非科学的かつ突拍子も無い話を信じるつもりはまったくありませんが、これからどうすれば良いのか悩んでいます。

何故なら精神病の患者と記憶や神経を共有するのは危険とよく言われているからです。ですが、母を治すことはできません。母を切り離そうにも今の技術では人工人体不完全なものです。

ちなみに私は結局両親とは合体しませんでした。婿入りするかもしれないからと両親にははぐらかしておりましたが、本当は恐ろしくなったからです。近頃は首から下の部分も無駄だと言って機械にする人間も多くおりますが、私はこの風潮が恐ろしいです。しかし、私は周りから変人扱いされます。国も手術をしない人間へは福祉を薄くすると言っており、近々そうなるでしょう。敬具

2040年になると下半身が無いことに人々は慣れていき不自然だからつけていた機械の下半身もつけなくなっていった。思想犯として収監されていた私は今日5年振りに池田家を訪ねる予定だ。

私が池田家のドアを開けるとサッカーボールのようなものが転がって出迎えてきた。