震災後の原子力停止→火力燃料激増及び円高による交易条件の悪化が一時的要因なのかどうか。

 前者については、政治が今の残存原子力を稼働させるよう腹を決めればある程度の解消は可能だ。

※この問題についての私の見解は当面は原子力稼働して凌ぎ、その後は徐々に経済性の高い石炭火力増により対処という、恐ろしく誰にも受けない発想だ。言い切ってしまうが、石炭火力への一般的な認識は四日市訴訟のイメージを引きずりすぎだと思う。ガスよりは金がかからないし、爆発物でもないためハンドリングが容易だ。

 後者は日本が弱くなればいつかは円安にはなるだろうが、そういう円安が望ましいわけではない。

 そういう短期的なことではなく、長期的な構造が既に貿易赤字ベースになっているのかが気になる。どの国でもいつかは貿易収支が赤字化し資本収支が黒字という段階を迎えるはずで、そろそろその時期が近づいてきているのではないか。

 いや、そうではないよ、デフレさえ脱却できればまだまだ成長できるし、設備投資も増えるよ、ということなら、その過程で貿易収支や資本収支が悪化することはあるかもしれない。

 結局、数字だけを見ていても仕方がないと考えている。どういう理由でその数字になったのかをプロには分析して欲しいと思います。