将棋棋聖戦:羽生、即詰み逃して挑戦ならず
今日行われた将棋棋聖戦の挑戦者決定戦は午後7時前の段階で羽生必勝となった。今日の私は休暇で朝から片付けをしながらずっと観戦。羽生の丁寧さの中にも踏み込みもあり、素人目にも硬軟の使い分けが見事に見えた。 桂得で先制した羽生は▲7七歩で自玉周辺のあやの解消に出る。(並みのアマだと▲2六飛~▲2二飛成で良しとしてしまいそう・・・竜はできるが駒の運用としては全く円滑ではない) 下図の▲8六角もアマには発想できない手。角を渡しても桂香との2枚換えではあり(2枚換えの中では最悪の取引だが)、自玉周辺の垂れ歩を除去し、銀の生還もできる。▲2八竜でゆっくりと勝負しようという発想、先を急がない指し方に余裕を感じる。 弱体だった先手玉は3枚の金銀に守備され、すっかり安定した。▲4六歩は私でも発想できる手であるが、何とも感触がよい。4筋を攻めれば、連続して後手の金銀にアタックできる。 そして最初に書いた羽生必勝と感じた局面がこちら。私は19時から外食の予約があったのだが、全く懸念を覚えず、家を出た。それはそうだろう。2手は差がついているし、Abemaの解説陣の評価通り、先手玉は右側への逃走ルートが無限にある。後手玉は完全に包囲されている。『これで羽生ー藤井の番勝負か。。。棋聖戦は賞金もアップしたし、これは反響が大きいだろうなぁ』 この将棋、服部には申し訳ないが、将棋ファンの99.9%は羽生サイドで観戦していたはずで、この局面で安心した人が大半だろう。 外食を終えて、帰宅したのが20時20分頃。五番勝負の日程を調べておくか・・・平日の場合は業務の調整もしないとな・・・などとPCにアクセスすると、156手で終了とある。。。『偶数???』 なんと服部が勝っている。どうしてそうなる? と早速棋譜を並べる。上の局面から△2七角▲3六銀△同角成▲同竜に△7九銀としたわけか。 ふーん・・・このまま寄せに行っても勝てそうだが、▲2四角と保険をかけておくのもあるか。藤井なら最短距離で寄せ切るだろうけれど・・・と一度は手を止めてみたが、次の手をみると羽生は▲5二銀成から王手飛車をかけて、服部の最後の突撃を許容することにしたようである。『ということは、ここで頓死でも食ったか?』『それにしてもここまでの状況に持ってくる服部、流石だなぁ』 ※ △9五桂に対し▲9六銀と逃げておけばAI評価値はともかく、わかりやすかったのかもしれない。 並べてみると服部玉が逃げ切っている。ということは詰みを逃したか。下図の飛車での王手が正しくなかったようだが、詰み筋が相当に難しい。ここまで追い込まれる将棋でなかったはずで、羽生としても不本意なものがあったのだろうか。 結果はウームだが、服部の戦いぶりは見事。対藤井で奪取までは予想しないが、1勝はするのではないだろうか。