お腹を触れられたあとに、体が軽くなったり、痛みやしびれが少し楽になったように感じたりすることがあります。

こうした変化から、「内臓の位置が整った」「癒着がはがれた」と説明されることもあります。

ただ、ここは少し慎重に考える必要があります。


今の研究では、手で触れただけで内臓の位置そのものを大きく変えたり、

 

深い部分の癒着を直接変えたりできることを、

 

はっきり示した証拠は十分ではありません。

つまり、変化を感じたことと、その説明が正しいことは同じではありません。


では、何が起きているのでしょうか。

一つの見方として、お腹への刺激が皮膚や皮神経、

 

末梢神経を通して脳に伝わり、体の受け取り方が変わった可能性があります。

その結果として緊張感が和らいだり、呼吸が落ち着いたり、

 

痛みの感じ方が変わったりすることは考えられます。


ここで大事なのは、自律神経が手で直接変えられたというより、

 

感覚入力が変わった結果として、

 

間接的に自律神経の働きにも変化が出た可能性がある、という点です。

つまり、先に変わるのはお腹の奥の位置ではなく、

 

触れられた感覚を脳がどう解釈したかという部分かもしれません。


また、お腹の不調が必ずしも内臓そのものから来ているとは限りません。

腹部には皮神経や末梢神経が走っていて、

 

そこが敏感になると、内側の不調のように感じることがあります。

そのため、お腹への施術で変化が出ても、すぐに「内臓が整った」とは言い切れません。


こうして見ると、大事なのは

 

「変わったかどうか」だけでなく、

 

「何が変わったのか」を丁寧に考えることです。

内臓へのアプローチをすべて否定する必要はありませんが、

 

起きている現象は、構造が直接変わったというより、

 

皮神経や末梢神経からの入力が変わり、

 

脳や自律神経の反応が間接的に変化したと考える方が自然な場合があります。


こういう視点に興味がある方は、今後の投稿もぜひご覧ください。

体の不調を、少し違う角度からやさしく読み解く内容をこれからも発信していきます。


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